2005 Fiscal Year Annual Research Report
脱塩基部位形成に基づく一塩基決損の蛍光検出法の開発と応用
Project/Area Number |
04F04391
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHAO Chun-Xia 東北大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 脱塩基DNA / 蛍光性リガンド / 一塩基多型 / 水素結合 |
Research Abstract |
個人個人に最適化した「テーラーメード医療」の実現に向けて,迅速,簡便かつ安価な一塩基多型(SNPs)検出法の開発が重要な課題となっている。本研究では、まず、標的塩基を含む一重鎖DNAと脱塩基部位(AP site)を有するプローブDNAをハイブリダイゼーションさせることで、標的塩基の向かい側に疎水性空間を構築する。この空間内では水素結合が効果的に機能することを利用して、標的塩基と蛍光性リガンドとの錯形成を行い、標的塩基選択的な錯形成反応を蛍光検出する。本年度は、核酸塩基認識のための水素結合部位とリン酸二エステル結合認識部位として水素結合と静電相互作用が可能なグアニジニウム基とを併せ持つアミロライドについて塩基選択性と結合能を評価した。 標的塩基を有するオリゴDNA鎖として、5'-GTTGCYCTGGA-3'(Y=G, C, A, or T)を用い、これと相補的で標的塩基に対向する部位がSpacer-C3で脱塩基空間を有するDNA鎖とを用いてアミロライドの塩基選択性を検討した。アミロライドは脱塩基部位含有DNA二重鎖と結合するとき、A、G、C、Tの順に蛍光消光の度合いが大きく、生成定数にして400万と高いT選択性を示した。熱量滴呈により錯生成はエンタルピー駆動で起きること、また、31P-NMRによりグアニジニウムとリン酸二エステル部位とが結合していることも明らかにした。さらに、PCR産物へ適用した結果、モデル実試料においても高いT選択性を実現でき、アミロライドがTに関連するSNPsの検出に有効であることが分かった。
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Research Products
(2 results)