2005 Fiscal Year Annual Research Report
バングラデシュに多発しているヒ素中毒症の原因であるヒ素汚染水の低廉な浄化処理技術の開発
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04F04403
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
太田 清久 三重大学, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AMIN Nurul Md. 三重大学, 工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | ヒ素汚染 / 排水処理 / 安価・簡便 / 吸着除去 / 廃棄物利用 |
Research Abstract |
現在、バングラディッシュなどの一部の地域で問題となっている砒素中毒症は、主に地下水の砒素汚染に原因がある。したがって、バングラディッシュで主に燃料として利用されており、廃棄物である稲、籾殻、使用済みの茶葉、ココナッツの殻などを細かく粉砕してカラムに充填し、3価と5価のヒ素の吸着除去を試みた。ヒ素汚染水の浄化は、これまで様々な手法が試みられてきたが、簡便で実際にバングラディッシュの実用にあった手法はほとんどなく、現在も汚染した地下水を飲料用として飲み続けている状況である。本手法は、バングラディッシュで手に入れることができる廃棄物を利用して吸着除去を試みた。その結果、稲がヒ素除去を行うために有効なろ過材であることを見出した。現在、3価のヒ素の除去は比較的難しいため、5価に酸化してから除去処理を行っているが、本吸着除去では、3価のヒ素も5価と同様に吸着除去できることが分かった。今後は、それらに熱的処理を施すことにより、活性炭のような炭化処理を行い、除去効率の向上を図る。最終的には、吸着力の非常に高い浄化材を開発し、実際の地下水を酸化剤などを用いた処理を行うことなく、直接浄化処理を行って、ヒ素を取り除く手法を開発する。本手法が開発されることにより、世界的な規模での砒素中毒症の改善がみられると思われる。
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