2005 Fiscal Year Annual Research Report
臨界点近傍のCO2を用いた新しい高圧抽出によるバイオ物質の分離
Project/Area Number |
04F04423
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
加藤 覚 首都大学東京, 都市環境学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FREITAG Joerg 首都大学東京, 都市環境学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 超臨界流体 / 二酸化炭素 / アルコール / アミノ酸 / バイオ物質 / クラスター |
Research Abstract |
本研究の第一の実績は、「無限希釈過剰エントロピーとエンタルピーによる水中アルカンの疎水効果と親油効果の比較」と題した論文である。疎水効果と親油効果を熱力学的に比較する方法を明らかにして、従来定性的に述べられている関係を定量的に明らかにした。 第二の実績は、「水中アルコールの無限希釈活量係数の相関」と題して全文献データ263を相関することに成功した。信頼できるデータの選択性を確立したこと、および、従来複雑と考えられていた熱力学過剰量が驚くほど簡単な関係になることを明らかにしている。 第三の業績は、状態方程式と第二の業績の結果を使って、熱力学的手法によって超臨界二酸化炭素のまわりに形成されるクラスター構造を定量的に明らかにし、さらに分子間相互作用の強さを明らかにしたことである。 第四の業績は超臨界二酸化炭素によるアミノ酸誘導体の抽出実験を行って、流通式装置によって超臨界中の固体飽和溶解度の簡便測定法を確立したこと、および、アミノ酸をアセチルエステル化して誘導体化すると高い溶解度を実現するとともに異種アミノ酸の間の高い分離選択性を期待できることを見出したことである。 これらの成果は標題にある臨界点近傍のCO2を用いた新しい高圧抽出法によってバイオ物質を分離する研究の核となる部分であり、従来得ることが難しかった成果を与えている。理論解析においては熱力学手法に基づいて溶液および超臨界流体中の溶液構造を明らかにしている点で独創性がある。実験においては、流通法による簡便測定法を開発し、分離可能なアミノ酸の誘導化を見出した点に新規性がある。
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Research Products
(4 results)