2004 Fiscal Year Annual Research Report
ラン色細菌の水素生産性向上に向けた遺伝子工学的改良
Project/Area Number |
04F04486
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
櫻井 英博 早稲田大学, 教育・総合科学学術院(教育学部), 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Xioahui 早稲田大学, 理工学術院, 外国人特別研究員
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Keywords | 水素生産 / ニトロゲナーゼ / 水素生産 / ラン色細菌 / 光生物 / 遺伝子工学 |
Research Abstract |
ラン色細菌のニトロゲナーゼは特徴的金属として一般にMo(Nif)を持つが、生物界には代わりにV(Vnf)あるいはFe(Anf)を持つものがあり、これらは前者よりも窒素固定の効率が低く、したがって水素生産効率が相対的に高いので、水素生産にとってより有利だと考えられる。Mo型については、1つの細菌で複数個の遺伝子セットを持つものもある。遺伝子工学的にVあるいはFe型酵素のみを発現させ,あるいは置き換えることにより、水素生産性の向上を目指す長期的研究の一環として次の研究を行った。 1)ニトロゲナーゼ遺伝子の各型に特徴的な部分配列を参考にオリゴヌクレオチドプローブを作成するために、DNA塩基配列の比較を行った:nifは7種(内ラン色細菌4)、vnfは13種(内ラン色細菌5)、anfは8種(内ラン色細菌0)からゲノム情報を得た。nif遺伝子はH, D, Kから、vnfとanfはH, D, Kの他にGを含むが、配列の比較から、サブユニットDが比較的各グループ内での一致度が高く,グループ間の差が大きかった。Gの部分配列の中から、グループ間の差が大きい部分を見出し、特異的プローブを作製することにして、プローブを現在作製中である。 2)世界のラン色細菌株保存センターより入手したヘテロシスト形成型窒素固定ラン色細菌の約10株について、Mo型以外のものを含むかどうかを調べる実験に着手した。株を必要に応じて純粋培養化し、8株以上についてゲノムDNAの抽出と精製を行った。すべての株についてDNAの調製が完了した段階で、プローブを用いてvnf、anfの存否と、nifの数を調べる段取りとなっている。
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