2005 Fiscal Year Annual Research Report
ラン色細菌の水素生産性向上に向けた遺伝子工学的改良
Project/Area Number |
04F04486
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
櫻井 英博 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Xiaohui 早稲田大学, 理工学術院, 外国人特別研究員
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Keywords | 水素 / 水素生産 / ニトロゲナーゼ / ラン色細菌 / 光生物 / 遺伝子工学 |
Research Abstract |
ラン色細菌のニトロゲナーゼは特徴的金属として一般にMo(Nif)を持つが、生物界には代わりにV(Vnf)あるいはFe(Anf)を持つものがあり、これらは前者よりも窒素固定の効率が低く、したがって水素生産効率が相対的に高いので、水素生産にとってより有利だと考えられる。Mo型については、1つの細菌で複数個の遺伝子セットを持つものもある。遺伝子工学的にVあるいはFe型酵素のみを発現させ、あるいは置き換えることにより、水素生産性の向上を目指す長期的研究の一環として次の研究を行った。 複数のヘテロシスト形成型窒素固定ラン色細菌について、Mo型以外のものを含むかどうかを調べる目的で、それぞれの型には特異的なプローブを作製した。 Anabaena variabilisは、nif1,nif2,vnfの3種のニトロゲナーゼ遺伝子を持つ。窒素欠乏下ではまずnif1が発現し他のものの発現は抑制されているが,培地中にMoが欠乏すると次にvnfが発現する。nif1の下流にレポーターとして緑色蛍光蛋白質遺伝子(gfp)を結合した組換え体を作製し、窒素固定条件下で、ヘテロシストが栄養細胞よりも強い蛍光を発することを確かめた。vnfの下流に青色蛍光蛋白質遺伝子(bfp)を結合したプラスミドを作製した。これを用いた組換え体の作製を目指しており、遺伝子の発現条件について比較研究する準備が整いつつある。 当研究室で作製した数種のヒドロゲナーゼ突然変異株を用いて、取込み型酵素(Hup)の不活性化が水素生産性向上にとって有効であることを示した。水素生産に対する気相の組成、交換頻度等の影響について調べ、高濃度の酸素が阻害的にはたらくことを明らかにした。
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