2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04783
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 隆 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZAMBON Cristina 京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 可解な場の理論 / 境界・欠陥 / アファイン戸田場の理論 / サイン・ゴードン理論 / 可解な古典・量子多体系 / 古典直交多項式の変形 / 超幾何直交多項式 / 離散量子力学 |
Research Abstract |
ザンボン氏は,昨年10月に基礎物理学研究所で私のグループに加わって以来,それまでの研究テーマであった境界・欠陥を持った可解な場の理論の研究を更に進めた.偏微分方程式の境界条件の分析に,解析的手法の他に科学研究費補助金を用いて購入したノート型コンピュータに搭載したMathematica等による数式処理プログラムを導入した.これでより複雑な系の解析が可能になった. 可解な場の理論の対象としては,A型ルート系に属するアファイン戸田場の理論(サイン・ゴードン理論を含む)の他に,(修正)コルトヴェーグ・ド・フリース方程式や非線型シュレーディンガー方程式等を新たに加えた.これらの典型的ソリトン理論は,バックルンド変換と欠陥の境界条件の相互関連の理解にも最適である.共同研究者のEd Corriganとの直接の議論のため,科学研究費補助金を用いて,2005年3月1-15日にイタリア・ボローニャ大学に出張した.今後,弦理論や場の理論の中に現れる可解構造の理論の解明をも研究対象に加えてゆく考えである. 佐々木は,ザンボン氏・ロッシ氏と境界・欠陥を持った可解な場の理論の研究を続けるとともに,可解な古典・量子多体系の研究も発展させた.古典および量子可解系の中で最もよく知られたカロジェローサザーランド系の古典平衡点が,古典直交多項式(エルミート・ラゲール・ジャコビなど)の零点で記述される.この可解多体系の、離散量子力学'的な可解性を保った変形が,ライセナースーシュナイダー・ファンディーエン系である.これらの古典平衡点から,上記の古典直交多項式の変形が得られ,アスキーの超幾何直交多項式系に属することを示した.更にそれらが,形状不変な厳密に解ける量子力学系の固有関数を与えることを示した.
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