2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04F04783
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 隆 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZAMBON Cristina 京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 可解系 / ジャンプ欠陥 / S-行列 / 透過行列 / 反射行列 / 場の量子論 / 場の古典論 / ベーテ仮説 |
Research Abstract |
ザンボン氏は,境界および欠陥を持った可解な場の理論の研究を更に進めた。特に1次元の場の理論で,欠陥の両側において場の値に跳びのある"ジャンプ欠陥"のいろいろな性質を種々な可解場の理論(サイン・ゴルドン,非線形のシュレーディンガー,コルトヴェーグ・ド・フリース,修正コルトヴェーグ・ド・フリース)の枠組みの中で,古典的・量子論の両面において明らかにした。これはザンボン氏の発見で,学生時代の教師のコリガン氏らとの共著論文[1]で発表された。サイン・ゴルドン理論では,ジャンプ欠陥は,位相荷電を蓄え・放出する役割をもつことが示された。また,ソリトン理論の持つ顕著な性質であるバックルンド変換と深く関連している。さらには,ジャンプ欠陥に付随する束縛状態などの存在が示唆された。現実の固体中の欠陥への具体的応用を目指している。 科研費で購入した計算機と数式処理のソフトウェアを活用した。また科研費を活用して,ザンボン氏は,ボローニャ,アネシー,ローマなどに出張して研究発表・討論・共同研究を行った。 佐々木は,ゴーダン模型の可解な境界相互作用や反射行列を論じた(張・楊と共著)[2]。カロジェロ・サザーランド系とその変形であるライセナー系などの古典平衡位置を記述する多項式系とその変形の粒子論的役割を明らかにした(小竹と共著)[3]。カロジェロ・サザーランド系について,その運動方程式の解が,適当な行列の対角比によって得られることを,すべてのルート系に基づく系について普遍的に示した。古典ルート系に基づくものについては,高次のハミルトニアンについても同様の明示的解法が使えることを示した(高崎と共著)[4]。
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