2004 Fiscal Year Annual Research Report
各種植物繊維と樹脂との組み合せにより高耐久性を持ち環境負荷の小さい複合材料の開発を行う
Project/Area Number |
04F04789
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川井 秀一 京都大学, 生存圏研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BERARD P R 京都大学, 生存圏研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 木質材料 / 単板積層材 / 繊維補強 / シミュレーション / モデル解析 / 円筒LVL / 高強度植物繊維 / 高耐久性 |
Research Abstract |
本研究では新しい軸材料や面材料を開発する上での各種植物繊維や樹脂の最適な組み合わせを探り、低環境負荷で耐久性の高い木質材料の開発を行うことを最終的な目的とする。本年度は、まず新しい木質材料の開発動向の把握や問題点について精査した。その結果、単板の繊維方向を並行に揃えて積層した円筒状の単板積層材(円筒型LVL)が将来的に非常に注目されているにも関わらず、理論的解析が不十分であり、繊維補強効果についてもほとんど検討されていないことが見出された。そこで、この円筒LVLを中心に研究を進めることとし、まずシミュレーションによるモデル解析手法の確立を行うことが重要であると考えた。しかし、円筒状単板積層材のモデル解析は極めて複雑であるため、平面単板積層材を用いた解析手法の確立を試みることにした。このため、秋田県立大学木材高度加工研究所の山内秀文講師および熊本大学教育学部の楊助教授を訪ね、さらに、木材学会の年次大会に出席して、共同研究者が集まってミーティングを行い、関連する既往の研究について検討し、課題の抽出を試みた。 このように共同研究者とのディスカッションを通じて、実験方法や各種力学解析ソフトの可能性を検討し、詳細な研究計画を立案した。すなわち、ヒノキ原木から切り出したブロック試料から3方向の力学定数を求め、同一原木から厚さ2〜3mmの単板を製造し、レゾルシノール樹脂接着剤を用いて繊維方向を異にする3〜10プライの平面単板積層材を作製して、力学的性質とその異方性を明らかにする。得られた結果に基づいてモデル解析手法の確立を目指す。さらに、三次元モデルに拡張して、円筒型LVLの応力解析を行い、最適モデルを見出して、これを検証する。
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