2004 Fiscal Year Annual Research Report
半導体量子ドット・フォトニック結晶とMEMSの融合による新素子開発
Project/Area Number |
04F04791
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒川 泰彦 東京大学, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUIMSRD Denis 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 量子ドット / MOCVD法 / 光通信波長帯 / 半導体レーザ / 高密度化 / アンチモン |
Research Abstract |
量子ドット構造を半導体レーザ等の光デバイスに応用する際、高いモード利得を得るためには量子ドットの高密度化は必要不可欠である。しかしながら、従来のGaAs層上InAs材料系では長波長化と高密度化はトレードオフにあるだけでなく、ある程度高密度になると個々の量子ドットの形状が変化しサイズが小さくなるため(bimodal distributionの存在)、高密度(>5×10^<10>/cm^2)且つ長波長帯(>1.3μm)で発光する量子ドットを得ることは非常に困難になる。また積層化に関しても表面荒れやIn偏析が問題となり多層化が難しい。よって、単層当たりの量子ドットの高密度化は重要である。今回、高密度化のアプローチとして近年注目を集めているGaSb単原子層を用い、量産性等において有利とされるMOCVD法にて高密度化及び長波長化が可能かどうか検討を行った。 本研究では減圧MOCVD法(76Torr)によりサンプル作製を行った。GaAs層成長後TMSbフローにしGaAs表面をSbで置換した後InAs量子ドットを形成する。同一条件(成長速度0.011ML/sec、成長温度500℃)で作製した時のAFM像の評価を行った結果、Sbを用いない場合に比べ(密度1.7×10^<10>/cm^2)、Sbのサーファクタント効果により量子ドットの密度が増大した(密度4.9×10^<10>/cm^2)。また、供給量が増えるに従いサイズ均一性が改善する事が判明した。またSbを用いたInAs量子ドットをGaAs層で埋め込んだサンプルについてPL評価を行った結果、室温で1.3μmにて発光を確認した。このように、Sbを微量に導入するだけで量子ドットの形成メカニズムや光学特性が大きく変化することが分かり、成長条件をさらに詳細に検討することにより高密度化・長波長化も可能であると考えられる。
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