2006 Fiscal Year Annual Research Report
オントロジー工学を用いた言語学習における文化差要因のモデル化と日本人のための英語学習支援システム
Project/Area Number |
04F04810
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
溝口 理一郎 大阪大学, 産業科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALLARD Daniele 大阪大学, 産業科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 言語学習 / CALL(コンピュータ支援言語学習) / オントロジー / オントロジー工学 / 文化差 / 言語学習上の障害 / 言語間干渉 / 言語転移 |
Research Abstract |
日本人が英語を学習する場合には,日本語,ひいては日本の文化に深く染まっている学習者が英語,そして英語文化という未知の世界との相違に起因する困難さを克服することを支援する必要がある.本研究は,日英文化差の要因分析の成果を利用して,日本人が英語を学習する際に遭遇する困難さを日英の文化差の観点から分析して,オントロジー工学の手法を用いて体系的に記述し,それらの困難さを説明するモデルを構築する.そして,モデルに基づいて困難さを克服する英語学習指導方略を構成し,それを組み込んだ,日本人用英語学習支援システムを開発することを目指した. 1.構築されたオントロジーを用いて種々の困難さを説明するモデルを記述完成している. 2.困難さを説明するモデルを参考にしつつ,それを回避するための教授戦略に関する考察を特定の例を使いながら行った. 3.日本人に英語を教えている教師にインタビューすることによって教師が持つ経験則的教授戦略を収集完成した. 4.対象とする英語教材とシステムの評価をしてくれる組織を選定した. 5.予想以上に問題が難しかったこともあり,英語学習支援システムのプロトタイプシステムの開発は行わず,システム構築の知識の組織化に重点を置いて行った.その際フランス人が英語を学ぶときの困難さと日本人の場合の困難さとを比較検討して,文化差と言語学習の困難さの一般理論を得る手がかりを得た. 6.プロトタイプシステムの振る舞いを模擬して英語教師に提示するとともに,システムの構成やオントロジーを用いて構造化された日欧の文化差を説明する知識を見てもらい,良好な評価を得た. 7.評価を分析して,知識やシステムの設計に反映させている.
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Research Products
(1 results)