2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ系の化学反応性と電子構造に関する量子化学的方法論の開発と応用
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04F04812
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 百合子 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TIAN Wei Quan 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | 金属クラスター / 非経験的分子軌道計算 / 密度汎関数法 / エネルギー / 状態密度 / スピン多重度 |
Research Abstract |
金や白金からなる金属クラスター(Pt6AuやAu6Pt)各種異性体や種々の分子構造に対して、高精度分子軌道計算を行い、構造と電子状態の関係について詳細な解析を行った。考えられるクラスター構造とエネルギーギャップや状態密度、スピン多重度との関係等について系統的に調べ、金属クラスターの異なる構造に対する異なる機能物性の発現について検討を行った。一方、かご型クラスターとしてC_<50>,C_<100>等についても、クラスター構造と電子状態の関係について現在演算を行っており、結果を整理している段階である。 一方で、電子状態の超高速オーダー(N)法の開発を行い、非経験的分子軌道法のレベルでGAMESSプログラムパッケージと結合している。本年は特に、金属を含む一次元Metal-Wireに対して、現在開発中のElongation法を適用し、その有効性を確かめた。これらをさらに発展させ、並列でも計算可能となるようパラレル演算用にプログラム開発を行うとともに、実際に各オリゴマーを各CPUに分散させて並列演算を行ったあと、マスターWSにデータを送り込んで、最終的な電子状態が得られるようなパラレル演算システムを構築中である。ポリグリシンの種々のヘリックス構造や他のペプチド系や三重螺旋コラーゲン等に適用し、10^<-6~>10^<-9>auの計算精度を保ちつつオーダー(N)による超効率的計算時間を実現した。さらに、金属を含む系に対しても計算中であり、それぞれのスピン多重度との関係について本方法によって信頼性の高い知見が得られるかどうか検討する予定である。
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