2005 Fiscal Year Annual Research Report
3次元レーザー微細加工法を用いた光周波数領域での左手系メタマテリアルの開発
Project/Area Number |
04F04872
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
河田 聡 独立行政法人理化学研究所, 河田ナノフォトニクス研究室, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FORMANEK Florian Mickael 独立行政法人理化学研究所, 河田ナノフォトニクス研究室, 外国人特別研究員
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Keywords | メタマテリアル / 2光子造形 |
Research Abstract |
光硬化性樹脂を用いた2光子吸収光造形は、サブミクロンの分解能で自由な3次元ポリマー微細構造を作成できる手法の1つである。我々のグループは、さらにマイクロレンズアレイを用いて作製したマルチレーザースポットを利用して、複数の3次元造形物を広い領域にわたり同時に作製する方法について研究を進めてきた。本年度は、この手法をベースとして作成した3次元構造の金属化をめざし、2光子吸収光造形と無電解銀めっきを組み合わせる方法について検討した。2光子吸収光造形で作成したポリマー構造物は,ガラス基板上に作成されるが,この試料に無電界めっきで金属をコートすると,金属はポリマー表面よりもガラス基板表面に出し易いという性質があり,目的のようにポリマー表面のみを選択的に金属化することはできない。そこで本研究では、光硬化性樹脂に芳香族誘導体を添加し,さらにめっき前にポリマー表面にSnCl_2処理を行うことで、銀の核形成を促して密着性を増強させた。加えてガラス基盤表面には,銀の析出を抑制するために疎水性処理を施した。その結果,ポリマー構造表面のみに選択的に金属コーティングができることを確認した。また、この銀コートの抵抗率を測定して導電性を調べた。線幅1μmのポリマー線を作成し,この表面に銀をコートした。そして,その線の両端に銀電極を作り、電極間の抵抗値を測定することでその抵抗率を求めた。実験の結果、抵抗率は7.4×10^<-8>Ωmであった。この値はバルクの銀の抵抗率(1.6×10^<-8>Ωm)と比較して高々4.6倍であることがわかった.以上の研究結果から、3次元金属微細構造作製の1つの手法として2光子造形法と無電解金属めっき法の組み合わせの有効性を確認した。
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Research Products
(1 results)