2004 Fiscal Year Annual Research Report
ボーズ凝縮・フェルミ縮退したイッテルビウム原子を用いた次世代光周波数標準の開発
Project/Area Number |
04J00225
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高須 洋介 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | イッテルビウム原子 / レーザー冷却 / 光格子 / ボーズ凝縮 / フェルミ縮退 / 量子縮退 |
Research Abstract |
本研究は、ボーズ凝縮またはフェルミ縮退したイッテルビウム原子を用いて高精度の光周波数標準を開発することを目的としている。そのためには、ボーズ凝縮したボゾン同位体、もしくはフェルミ縮退したフェルミオン同位体を光格子中に導入することが必要である。 平成16年度では、レーザー冷却し、その後に蒸発冷却されたイッテルビウム原子を光格子中に捕獲することに成功した。特に実空間において1次元を格子状にした1次元光格子だけでなく、2次元光格子、3次元光格子それぞれを用いて、ボゾン同位体、フェルミオン同位体各々の原子団の捕獲にも成功した。 フェルミオン同位体は統計性によりボゾン同位体と比べて低温では蒸発冷却の効率が著しく悪くなることが知られている。そこで、フェルミオン同位体の効率的な冷却を目的として、ボゾン同位体とフェルミオン同位体の同時捕獲の実験を行い、成功した。その結果、フェルミオン同位体はボゾン同位体との相互作用により効率よく冷却されるが、ボゾン同位体の原子数が急激に減少してしまうため、蒸発冷却が停止してしまうことを発見した。 また、量子縮退した原子団の光格子による捕獲についても研究をすすめた。これらは光格子中での蒸発冷却、もしくは光格子中への量子縮退原子の導入により行った。その結果、ボゾン同位体を用いた場合はボーズ凝縮体を、フェルミオン同位体を用いた場合はほぼフェルミ温度と等しい温度の原子団の光格子に捕獲することにそれぞれ成功した。
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