2004 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織形成、肥満における膜貫通型メタロプロテアーゼ メルトリンの新たな機能
Project/Area Number |
04J00919
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
正木 めぐみ 京都大学, 医科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 肥満 / 脂肪細胞 / ADAM / メルトリンα |
Research Abstract |
膜貫通型メタロプロテアーゼ・メルトリンα/ADAM12の脂肪組織形成、肥満における機能を調べるために、メルトリンαノックアウトマウスに高脂肪食を摂取させたところ、ノックアウトマウスは野生型のマウスに比べ、体重の増加が抑えられていることがわかった。また、解剖の結果、高脂肪食を摂取したメルトリンαノックアウトマウスの白色脂肪組織は野生型のものよりも、小さいことがわかった。脂肪組織の肥大には、2つの過程が知られている。1つは、もともと存在する脂肪細胞がより多くの油滴を貯めて、肥大する現象であり、もう一つは、脂肪組織中に存在する脂肪前駆細胞が増加し、新たな脂肪細胞ができる過程である。これらの過程のどこにメルトリンαが関わるのかを調べた。脂肪細胞の大きさを比較してみたところ、メルトリンαノックアウトマウスの脂肪細胞は野生型のものと同程度、肥大していた。一方、脂肪組織中に含まれる細胞の数を比較してみたところ、高脂肪食を摂取したノックアウトマウス由来の脂肪組織中に含まれる細胞数は、野生型のものよりも明らかに低下していることがわかった。このことから、メルトリンαは細胞の肥大ではなく、新たにできる脂肪細胞の増加に関わっているということが示唆された。さらに、これらの結果をin vitroで解析するため、Mouse embryonic fibroblast(MEF)及び、脂肪組織から単離したStromal-vascular(S-V)cellを用いて、分化誘導後の細胞の増殖を調べた。いずれの細胞を用いたときにも、メルトリンαを欠く細胞は野生型のものに比べ、増加率が低下していることがわかった。以上のことから、メルトリンαが脂肪細胞の肥大ではなく、脂肪前駆細胞の増加という現象に介して、肥満に関わる因子であることがわかった。
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Research Products
(1 results)