2005 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織形成、肥満における膜貫通型メタロプロテアーゼ・メルトリンの新たな機能
Project/Area Number |
04J00919
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
正木 めぐみ 京都大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 前駆脂肪細胞 / メルトリンα / マイクロアレイ |
Research Abstract |
これまで、主に培養細胞などを用いた研究から前駆脂肪細胞から、脂肪細胞への分化に関わる重要な因子などが明らかになってきた。このような状況の中で、私たちはメルトリンαノックアウトマウスを用いた解析から、メルトリンαが前駆脂肪細胞の増殖に関わっていることを示唆してきた。しかし、その一方で、個体発生の過程において、前駆脂肪細胞の由来や局在、性質などについては、ほとんどわかっていなかった。その要因の1つとしては、初期の前駆脂肪細胞に特異的に発現する遺伝子マーカーが知られていなかったことが挙げられる。そこで、本研究では、マイクロアレイを用いて、前駆脂肪細胞および脂肪細胞に分化できない細胞集団の遺伝子発現を比較することにより、前駆脂肪細胞マーカーのスクリーニングを行った。 まず始めに、Affymetrix社のGeneTip 430.Aを用いた解析により、前駆脂肪細胞において、有意に発現量が上昇している105個の遺伝子を得た。これらの中から、細胞表面に存在する5つの分子に着目し、マウス胎仔の発生段階における発現を免疫組織染色により検討した。その結果、遺伝子Xは、受精後14.5日から肩甲骨間の褐色脂肪組織に、16.5日からは、皮下の白色脂肪組織に特異的に発現していることがわかった。さらに、この遺伝子Xを発現する細胞の割合をFlow cytometryにより検討したところ、受精後14.5日のマウス胎仔繊維芽細胞内の約10%の細胞に発現していることがわかった。本研究により得られた遺伝子Xを、前駆脂肪細胞のマーカーとして用いることにより、これまで不明であった生体内における前駆脂肪細胞の由来や局在、性質などを明らかにできるものと考えられる。
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Research Products
(1 results)