2005 Fiscal Year Annual Research Report
脂質二重膜をテンプレートとする7回膜貫通型受容体の精密有機合成
Project/Area Number |
04J01189
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 聡 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | CXCR4 / 光感受性保護基 / チオエステル |
Research Abstract |
7回膜貫通型受容体であるCXCR4ケモカインレセプターの化学合成法の確立を目的として前年度までに開発を行った4-dimethylaminophenacyl型光感受性保護基の化学的性質の調査を行った。本保護基は既知のphenacyl型保護基に比べ、速やかに除去が可能であった。また、4-dimethylaminophenacyl型光感受性保護基の吸収極大波長は338nmであり、他のphenacyl型保護基に比べ、大きく長波長側にシフトしており、ペプチドや生体高分子の吸収領域を避けた脱保護が可能であることを示した。一方で、本保護基をペプチドフラグメントの連続縮合反応に用いた際、光照射後に縮合反応に用いるC末端フラグメントであるペプチドチオエステルがペプチドチオアッシッドに変換される副反応を確認した。すなわち、縮合反応の効率が低い場合には上記副反応が縮合反応に優先することが明らかとなった。そこで、4-dimethylaminophenacyl型保護基の活用に加え、代替手段として、選択的にN末端システイン残基に導入が可能であり、酸処理により脱保護が可能なチアゾリジン型保護基の開発と、ペプチドフラグメントの連続縮合反応への応用にも着手した。一方でCXCR4の探索子となりうる低分子リガンドの創出を目的として、以前にCXCR4アンタゴニストとして同定された環状ペンタペプチドの中心骨格の変換を行い、より低分子量でかつDrug-likeな化合物群の合成を行った。
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