2005 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを用いた神経・血管形成におけけるMeltrin-βの機能解析
Project/Area Number |
04J01254
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 紘司 京都大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Meltrinβ / 神経冠細胞 / 内皮細胞 / 心室中隔欠損 / Cre-loxpシステム |
Research Abstract |
本研究の目的は神経・血管形成におけるMeltrinβの働きをノックアウトマウスの解析を通して明らかにする事である。今年度は昨年度中に作成したトランスジェニックマウスを用いてMeltrinβノックアウトマウスにみられる表現型の機能回復を試みた。今年度の実験の目的はCre-loxPシステムを用いて神経冠由来細胞、内皮由来細胞特異的にMeltrinβを発現させ、ノックアウトマウスの表現型を回復させることにより、Meltrinβがどの細胞において重要な役割を果たしているかを明確にすることである。その結果、神経冠由来細胞特異的にMeltrinβを発現させるとMeltrinβノックアウトマウスの表現型の一つである心室中隔欠損が回復することが明らかになった。心臓の心室中隔の形成には複数の細胞種が関与し、そのメカニズムは不明な点が多い。Meltrinβは心臓の発生段階において少なくとも神経冠由来細胞、内皮由来細胞に発現している事が確認されており、その機能を明確にする為には今年度の実験成果は非常に有用なものとなる。神経冠由来細胞は心室中隔の形成の他に弁や血管系の形成など、心臓の発生段階において幅広い関与がある事が示唆されているが、分子レベルでどのような働きを担っているかは不明である。今後この結果をもとに詳細に解析していく事により、神経冠由来細胞の心臓の形態形成における役割を明確していく予定である。 また、内皮由来細胞特異的にMeltrinβを発現させると、心室中隔欠損は回復しなかったが、血管の形成において興味深い結果が得られたので、より詳細な解析を行っていきたい。
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