2004 Fiscal Year Annual Research Report
メソポーラス半導体膜の低温製膜技術を用いるフィルム型色素増感光電池の開発
Project/Area Number |
04J01360
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
村上 拓郎 桐蔭横浜大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 色素増感 / 太陽電池 / プラスチック / CVD / UV / 活性酸素 / チタンアルコキシド / 光触媒 |
Research Abstract |
本研究ではプラスチック型光電池の変換効率を7%代に向上させることを目標としている。その新たな手段として、電気泳動により導電性プラスチック基板表面に製膜した酸化チタン多孔膜に対して、オルトチタン酸テトライソプロピル[(CH_3)_2CHO]_4Tiを気相蒸着(CVD)させ、さらに紫外線を照射することで活性酸素処理を行い、アルコキシドのプロピル基を分解し、酸化チタン微粒子間の結合を強化することで光電変換効率の向上を試みた。 その結果、CVD単独処理について処理時間の増加に伴い短絡光電流(Jsc)が2.8mAcm^<-2>から4.3mAcm^<-2>まで増加し、開放光起電力(Voc)も50mVの増加が見られた。これは、CVD処理によりTiO_2多孔層のTiO_2表面ヘチタンアルコキシド由来の新たなTiO_2が生成し、TiO_2微粒子間の結合を強化することで光電流が上昇し、それに伴ってVocも上昇したと考えられる。 一方、紫外線照射単独処理についてもVocを維持して約1mAcm^<-2>のJscの向上が確認された。紫外線単独処理では新たなTiO_2の導入は起こらないため、Jscの向上は酸化チタンの光触媒作用による多孔膜表面の洗浄効果によると考えている。 CVD/UV処理ではJscの向上Vocの向上が最も顕著に表れ、20分の処理でJscは7mAcm^<-2>に、Vocは750mVに到達した。CVD/UV処理ではCVDにより多孔膜表面に付着したアルコキシドに対してUV照射によりアルコキシドのプロピル基を分解し、酸化チタンの生成を助長するものと考えられる。 さらに、炭素材料を活用することで光電変換効率を向上させるための新たな光電気化学素子の開発も行った。
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Research Products
(11 results)