2004 Fiscal Year Annual Research Report
亜熱帯島嶼条件下における持続的農業のための経営間連携システムに関する研究
Project/Area Number |
04J01764
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Research Institution | 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構 |
Principal Investigator |
坂井 教郎 独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 九州沖縄農業研究センター・総合研究部, 特別研究員(PD) (80454958)
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Keywords | 農地市場 / 農地貸借 / 亜熱帯畑作 / 預け預かり / 小作料 |
Research Abstract |
亜熱帯島嶼地域における経営間連携の一つとして、大規模借地を進める経営体と小規模農家との連携がある。そこでは、農地の貸借がポイントとなるが、これまで亜熱帯島喚地域における農地市場に関する研究は少ない。そこで本研究では、両者の連携課題を明らかにするために、佐敷町F集落において借地を進める生産法人3社と同集落農家の悉皆調査によって、沖縄本島南部地域における農地市場の構造と特徴、および農地の貸し手側の論理について分析を行い、次のことを明らかにした。 1.同集落農家の農業継続の意欲は強いが、余剰農地は比較的柔軟に貸し出す傾向にある。 2.借地による経営拡大を望む農家が他にほとんどいない中で、農地は生産法人に動いている。 3.そのため農地の親戚外への賃貸借が進展し、「預け預かり」は形の上では揺らいでいる。 4.貸し手が望む相手は、きちんと農地を管理し、必要時に返却してくれる人であり、その場合、相手の居住地は集落外でもよく、小作料の水準も重要ではなかった。 5.親戚外・賃貸借という点で形の上では預け預かりも変化しているが、柔軟(≒不安定)さと、小作料水準は重要でない、という基本的な性格は変わっていないと言える。 6.今後も農地は農家から放出されることが予想されるが、こうした農地貸借の性格は大きくは変わらないと考えられる。そのため借り手側としては、今回の調査対象と同様の性格を持つ農家に対して、農地管理と返却対応が重要であり、相手居住地や小作料水準を重視する必要性は小さい。
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