2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03428
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前田 理 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ポテンシャルエネルギー曲面 / 化学反応経路 / 遷移構造 / 超球面探索法 / 振動分光 |
Research Abstract |
化学反応は、量子化学計算に基づくポテンシャルエネルギー曲面(PES)上において反応経路を見出すことによって、理解、解析、予則することができる。反応経路は、反応の遷移状態構造(TS)が得られれば容易に求めることができるため、TSを探索する手法の開発が多くの理論化学者によって試みられてきた。しかし、多次元関数であるPES上でTSを見出すことは非常に難しく、効率的かつ十分信頼できる手法は存在しなかった。前年度に申請者は超球面探索法を提案し、この問題を解決する見通しを得た。今年度は引き続きその開発を続け、これまで五原子以上の系では全く不可能であった化学反応経路地図の作成を様々な多原子系(ホルムアルデヒド、メチルアセチレン、アセトニトリル、シアノアセチレン)で実現し報告した。その中で、生命の起源として注目される極低温・超高真空の星間空間でのアミノ酸分子の生成に関する新機構を見出すことができた。また、最小のフラーレンであるC_<20>フラーレンはレーザー蒸発法などの高温条件化では生成しないことが知られているが、C_<20>フラーレンとC_<20>環状化合物の間の異性化反応経路を調べることで、C_<20>フラーレンが生成しない理由に関する新しい解釈を得ることができた。さらに、超球面探索法によって得られる反応経路の情報を利用することで、振動分光の理論解析のための多次元PESを非常に効率的に構築することができることが分かり、その応用のための手法開発を進め、方法の提案と単純な応用例の報告を行った。
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Research Products
(6 results)