2005 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル経済下における食の安全保障と加工資本による原料調達システムに関する研究
Project/Area Number |
04J03676
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
小林 国之 酪農学園大学, 酪農学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | イギリス / 協同組合 / 食品産業 / 加工資本 |
Research Abstract |
今年度研究実績の概要 食品産業による原料調達体制に関して国際比較研究を行うために、昨年度の日本における馬鈴しょを中心とした原料流通体制の調査に続き、今年度はイギリスにおける加工農産物の生産・流通に関する調査を行った。イギリスは他のEU諸国や日本と比較すると、生産者は協同組合などを組織せずに直接的に食品産業と結びついているという特徴がある。生産者と加工流通資本の関係について実証分析を行った。具体的には以下の三点について調査を行った。 1.イギリスにおける農業協同組合の現状 一方、近年になってスーパーマーケット、食品産業の影響力の増大や、有機農産物に対する需要の高まりなど、フードチェーンの変化に対応するために、collaborationという名の下で、生産者同士、または生産者と食品産業との協同関係の重要性が指摘されるようになっている。 2.イングランド南西部を拠点とした有機牛乳販売協同組合 イギリスの牛乳販売に関しては、一元的に生乳の集荷・販売を行っていたミルクマーケティングボードが1994〜1995年にかけて解体されて以後、生乳の自由取引が可能となった。そうした制度の変化と有機牛乳など需要の変化に対応して、1994年に有機牛乳を販売するための協同組合が設立された。 3.スコットランドにおける種子馬鈴しょの管理体制 種苗の管理は安定的な農業生産においては決定的な役割を果たしている。スコットランドでは種子馬鈴しょのほとんどが民営化されている。国は検査事業と遺伝資源の保存という役割を果たしている。種苗の取引は自由市場で行われている。しかし自由市場を支えているのは、国による徹底した品質管理体制、作付け情報の把握、高い技術力と経験を持つ種苗生産業者、種苗生産に適したスコットランドの自然条件といった各要因によって支えられている。
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Research Products
(1 results)