2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J03740
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
東 武大 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 素粒子 / 超弦理論 / 行列模型 / 時空生成のダイナミズム / 非可換幾何学 / 非摂動効果 / 超対称性 / 標準模型 |
Research Abstract |
今年度、私は行列模型の時空及びゲージ群のダイナミクスに関して、昨年度に引き続き研究してきた。hep-th/0401038の論文においては、3次元時空内で定義された、Yang-Milles-Chern-Simons(YMCS) modelに関して解析的及びコンピューターシミュレーションによる数値的な手法を用いて研究を行った。これによって、行列模型のもつファジーS^2球面の古典解の安定性及びゲージ群の生成に関しての理解を得た。 まずこの手法を4次元のファジー多様体に拡張するのは非常に興味深い問題である。私達の住む4次元時空のダイナミカルな生成に関する知見が得られるからである。そこで、hep-th/0506205では3次のChern-Simons項を付け加えた6次元時空上の行列模型を考察し、4次元のファジーS^2×S^2古典解の安定性を数値的・解析的の両方の側面から調べた。その結果として、ファジーS^2×S^2古典解のmetastabilityを発見した。 次に、hep-th/0504217の論文においては、ゲージ群の生成について調べるために、3次元のChern-Simons項だけでなく2次元の質量項を付け加えた行列模型について研究を行った。この理論の自由エネルギーを1ループのレベルで評価することで、U(1)以外の非自明なゲージ群が生成されることが初めて明らかになった。 また、hep-th/0506062の論文では、ファジー球面の安定性に対する超対称性の効果を調べる為に、フェルミオンを含んだ行列模型について解析的および数値的に調べた。この場合は、超対称性の効果により、行列の大きさNの無限大の極限では、ボゾンだけの行列模型で見られた一次相転移が存在せず、常にファジー球面解が安定であることが分った。
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Research Products
(4 results)