2005 Fiscal Year Annual Research Report
医療・環境浄化用ナノ粒子プラズマ流体システムの最適制御
Project/Area Number |
04J04289
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
茂田 正哉 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | プラズマ / ナノ粒子 / 核生成 / 凝縮 / 数値解析 / 電磁流体 |
Research Abstract |
ホウ化チタンナノ粒子を創製するプロセスに着目した.ホウ化チタンは高融点・高硬度・高耐摩擦性を有することから,切断機・耐衝撃アーマー・耐摩耗皮膜に応用されており,そのナノ粒子の大量生産が産業的に強く求められている.ホウ化チタンナノ粒子はホウ素と金属チタンを原料として熱プラズマに注入し,瞬時に蒸発させ,プラズマの下流域で再凝縮させるというプロセスを経て創製することができる.しかしながら,これらの原料に飽和蒸気圧が大きく異なるため,ナノ粒子の粒径や質にばらつきが出てしまう.また生成機構そのものが未解明であった. そこで本研究では,熱プラズマを用いたホウ化チタンナノ粒子創製プロセスに対して,熱プラズマの熱流動現象・原料粒子の熱伝達過程・2種類の原料からの核生成および共凝縮によるナノ粒子生長過程を包括的にモデル化し,数値解析を行うことでその生成機構を解明した. 解析結果から,高温領域において,まずホウ素が均一核生成および不均一凝縮によって自身のナノ粒子を作り,そこにチタン蒸気が不均一凝縮することでホウ化チタンナノ粒子が創製されることが新たな知見として得られた.また大きな粒径を持つナノ粒子ほど高いホウ素含有率を示すという結果も得られた.これから推測されるホウ化チタンの組成は既存の実験的研究結果とも良く一致したことから,モデルは妥当であったと言える.逆に本モデルを用いることで,その条件において創製される化合物ナノ粒子の粒径や組成をある程度推測することが可能になり,大幅な実験コストの削減につながることができる. また実際の材料プロセスにおいて,高機能化を図るために解離性気体が混入され,それらの非平衡現象が重要な役割を果たすことから,高周波誘導プラズマそのものに対し,より詳細な物理モデルを導入して数値解析を行った.これにより,従来のプラズマ流のモデル計算より緻密な現象の把握が可能になった.
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Research Products
(6 results)