Research Abstract |
1.モーメント法の計算負荷の低減 高周波近似の概念を取り込みモーメント法の計算負荷を低減する二つの手法,(1)モーメント法の未知電流に物理光学近似の既知電流を代入し,マトリクスサイズの減少する手法,(2)基底関数に大規模のものを用いて,モーメント法の行列を疎にすることにより,逆行列演算における計算負荷を低減する手法を提案した. 物理光学近似は,散乱体上の誘起電流を無限平板と仮定することにより定義する.端部や曲面や角などの平面でない場所において,PO電流は精度が悪いが,それ以外の場所では精度が高い.(1)の手法は,モーメント法計算時に,PO電流が精度高い場所は,PO電流の既知電流を与えて,計算負荷の低減を実現した. モーメント法の行列は一般的に密行列であり,逆行列演算には直接解法であるLU分解などが使われる.直接解法は未知数をNとするとN^3のオーダーで計算負荷がかかる.モーメント法の基底関数に大規模の局所基底関数を使った場合,リアクション計算時に位相変化による打ち消しが発生し,値が0に収束する.(2)の手法は,それを利用し疎行列化して,逆行列演算における計算負荷を低減する.また,0に収束するリアクションを計算する必要がなく,リアクションの計算負荷も低減できる. 2.有限地板のスロットアンテナからの回折波を計算する汎用プログラム スロットアンテナの解析は,一般的に無限地板で行われるが,実際のアンテナは有限地板であり,地板の端からの回折波の影響を受ける.高周波近似解法の一つである修正エッジ法を使って,回折波を計算する汎用プログラムを開発した.
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