2004 Fiscal Year Annual Research Report
樹脂の表面改質を利用するナノ粒子複合ポリイミドの合成および機能特性に関する研究
Project/Area Number |
04J04696
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
池田 慎吾 甲南大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポリイミド樹脂 / 銅ナノ粒子 / 実装材料 / 表面改質 / 密着性 / 界面構造 / 回路形成 |
Research Abstract |
本年度は,ナノサイズ銅微粒子を利用した界面ナノスケール接合機構による微細配線形成プロセスの実現に向け,水素還元処理に伴う銅ナノ粒子の形成機構および樹脂層の構造変化について検討した結果,以下に示すような研究成果が得られた。 アルカリ水溶液処理によるポリイミド樹脂の表面改質(カチオン交換基の形成),イオン交換反応による銅イオンの導入および水素還元のプロセスにより銅ナノ粒子分散ポリイミド薄膜が形成した。水素還元後の樹脂中に残存する銅イオン量を系統的に定量することにより,銅イオンの還元温度領域を明らかにした他,赤外吸収スペクトル測定により加熱処理に伴い,改質された樹脂が再度イミド化することが明らかとなった。また,銅イオンの還元と再イミド化反応の進行する温度領域を比較することにより両者の間に密接な関係があることを見出し,銅イオンの還元が再イミド化過程の律速段階となることをつきとめた。上述のように分光学的手法を用いて得られた結果から,粒子サイズ成長には改質層中で形成した銅原子やクラスターの拡散が重要な因子として作用していることが示された。これらの結果は,本系を利用するにあたり,改質層の再イミド化および試料の微細構造制御におけるイオン,原子,クラスターの拡散挙動について重要な情報を与えるものであった。また,部位選択的表面改質法により部位選択的に銅イオンの導入サイトを樹脂表面に形成できることが明らかとなった。さらに導入した銅イオンの液相還元処理により樹脂上に直接銅回路パターンの形成が可能であることが確認された。 助成により,平成16年度に得られた研究成果をもとに,国内外において発表を行い,J.Am.Chem.Soc.およびJ.Phys.Chem.B誌などに論文発表した。
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Research Products
(2 results)