2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J04744
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
及川 達夫 山口大学, 大学院・連合獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | BubR1 / centrosome / p53 / Genomic convergence / mitotic checkpoint / transcription / MPM2 / CDK1 / cyclin B |
Research Abstract |
平成16年度、我々は長期継代におけるBubR1の発現の増加が普遍的な現象かどうかを解析する為、p53ノックアウトマウス皮膚線維芽細胞(p53-/-MSFs)をp53-/-MEEs細胞株と同様に長期継代し、BubR1の発現をウエスタンブロットにより調べた。p53-/-MEEs細胞株と同様に、p53-/-MSFs長期継代細胞株でも中心体過剰複製の抑制ならびにBubR1の発現の増加が認められた。これにより、長期継代におけるBubR1の増加はp53-/-MEEs細胞株に特異的な現象ではなく、普遍的な現象であり、Genomic convergenceにBubR1が関与していることが強く示唆された(Oikawa et al., In press)。 p53-/-MEEs PE細胞株では、BubR1の低発現による有糸分裂期チェックポイント機能の減弱が強く疑われた。これを証明するために、次に,p53-/-MEEs PE細胞株とPL細胞株における有糸分裂期チェックポイント機能のさらなる解析を行った。初めに有糸分裂期チェックポイント機能の欠損または減弱により引き起こされることが報告されている、Lagging chromosomeならびにChromosome bridgeの発現率を両細胞株で計測したところ、BubR1の発現の低いp53-/-MEEs PE細胞株で、これらの発現率の著しい増加が認められた。さらにp53-/-MEEs PE、PL細胞株に紡錘体形成阻害薬として知られるノコダゾールを添加後、計時的に細胞を回収し、抗cyclin B抗体で免疫沈降後、有糸分裂期の指標であるCDK1/cyclin B活性の測定を行った。p53-/-MEEs PL細胞株でPE細胞株よりもCDK1/cyclin B活性の持続が認められ、これらの結果により、p53-/-MEEs PE細胞株ではBubR1の低発現により有糸分裂期チェックポイント機能の減弱が存在することを明らかとした(Oikawa et al., In press)。 また同様にp53-/-MEEs PE、PL細胞株にノコダゾールを添加後、有糸分裂期特異的リン酸化抗原として知られるMPM2に対する抗体を用いて免疫染色を行い、両細胞株におけるMPM2の反応性を観測した。各時間におけるp53-/-MEEs PE、PL細胞株の有糸分裂期細胞数に差異は認められなかったが、有糸分裂不全のまま有糸分袈期を進行し、G1チェックポイントに存在する細胞(post-mitotic cells)において、MPM2の反応性がBubR1の発現が増加しているp53-/-MEEs PL細胞株で非常に高いことを明らかとした(Oikawa et al., In press)。上記したように、両細胞株間の有糸分裂期細胞数に差異は認められなかったことを考慮すると、p53-/-MEEs PL細胞株におけるCDK1/cyclin B活性の持続はpost-mitotic cellsが活性を持続したままpost-mitotic checkpointに存在している、またそれはBubR1の存在に左右されているということが強く示唆された。
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Research Products
(2 results)