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2005 Fiscal Year Annual Research Report

核磁気共鳴法を用いた運動性の解析によるリゾチームのアミロイド線維形成機構の解明

Research Project

Project/Area Number 04J04976
Research InstitutionNara Institute of Science and Technology

Principal Investigator

加藤 秀典  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特別研究員(PD)

Keywordsリゾチーム / NMR / フォールディング / 安定性
Research Abstract

第一に、枯草菌由来の細胞壁溶解酵素Cwlcrについて、2つの繰り返し配列を置換した変異体の立体構造をNMRによって決定した。また、野生型と変異体の安定性の比較を行った。その結果、置換に伴い構造はほとんど変わらないが、安定性は大きく低下することを明らかにした。
第二にT4リゾチームのフォールディング反応を解析し、以下のことを明らかにした。
律速段階となる遷移状態の前に、安定な中間体が存在しないことを実験的に証明した。これは、以前に報告された結論と異なるものであり、これまで信じられてきた考えが間違っていることを明確に証明する結果である。一方、律速段階となる遷移状態の後には、少なくとも2種類の中間体が存在することを明らかにした。その一つについては、NMRによって立体構造を決定し、主鎖の運動性の解析を行った。その結果、天然状態と比較して、主鎖のトポロジーは同じであるが、側鎖のパッキングに大きな違いがあることが明らかになった。もう一つの中間体についても、フォールドしている部位、アンフォールドしている部位を、アミノ酸残基のレベルで明らかにした。
さらに、20種類の変異体を作成し速度論的解析(Φ値解析)を行い、遷移状態の構造を明らかにした。また、この解析から遷移状態が変性剤の濃度に伴い移動することが明らかになった。リゾチームのフォールディングでは、低変性剤濃度下でフォールディング速度が予想値より小さくなる現象(ロールオーバー)がみられるが、このことはロールオーバーが中間体の存在ではなく、遷移状態の移動によるものであることを示している。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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