2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J06319
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田尻 義了 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 東北アジア / 青銅器 / 弥生時代 / 朝鮮半島 / 鋳型 / 生産 / 国際情報交換 / 鋳造 |
Research Abstract |
研究目的(1)日韓青銅器鋳造関連遺物の比較検討に関しては、本年度実施計画通り2006年2月現在での最新の資料を収集することができた。その結果、朝鮮半島・中国東北地方における鋳造関連遺物の様相が時期別に明らかとなった。また、日本国内における青銅器製作に関わる資料に関しても、調査をおこない、国内における地域差の様相が明らかとなった。 具体的には、関東地方・東海地方の青銅器生産の一端が明らかとなった。 研究目的(2)鋳造関連遺物からの製作技術の復元・および両地域における製作技術の比較に関しては、研究目的(1)の成果をもとにして、遺物の詳細な検討を行い具体的な技術の製作復元をおこなった。対象資料の詳細な観察から、これまで認められなかった製作技術の痕跡が明らかとなり、今後の遺跡調査が必要となった。 具体的には、中華人民共和国遼寧省二道河子出土の鋳型観察から、鋳型の表面にこれまで認められなかった加工痕跡が明らかとなり、類例等を検討する必要がある。 研究目的(3)鋳造実験による製作技術の復元に関しては、実験に使用する材料(鋳型石材)を入手することができ、実験を行う体制が整った。その結果鋳型石材の加工方法の検討をおこない、サンプルを入手している。 研究目的(4)東北アジアにおける青銅器製作技術の伝播に関する検討では、国内・海外の調査をおこない、国内における学会発表や国際学会での発表においてその成果を公表している。発表の内容について、来年度に博士論文という形でまとめ上げ、さらに学会に寄与したいと考えている。 なお、本年度の調査は、国内(5カ所)千葉県埋蔵文化財センター・春日市奴国ノ丘資料館・佐賀県吉野ヶ里遺跡発掘調査事務所・山口県浦上記念館・九州国立博物館。海外(5カ所)遼寧省考古学研究所・遼楊市博物館・鉄嶺市博物館・撫順市博物館・旅順博物館である。 また、参加学会は、日本考古学協会・鏡笵研究会・世界考古学会議・日本中国考古学会九州例会・東アジア考古学会であり、この内4カ所で発表をおこなっている。
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