2005 Fiscal Year Annual Research Report
エマルション内の相分離を利用したゲルアクチェータの作製法の確立
Project/Area Number |
04J06355
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
成田 貴行 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | ゲル / 液晶 / パターン形成 / リーセガング現象 / 形態形成 / 相分離現象 / 光散乱 / 体積相転移 |
Research Abstract |
1.ゲルの形態形成に関する実験的研究 海草由来の多糖類の一種であるκ-カラギーナンの水溶液にカリウムイオンを拡散させてゲルを調整したところ非常に単純なシステムであるが、液晶領域が周期的に局在したゲルが創製された(Narita, T.et al. Langmuir 22,349-352(2006))このゲルは(1)一様なイオンの拡散が周期を持つマクロ構造を生み出すこと。(2)カラギーナンが多糖類の一種であること。(3)パターンのスケールが生体組織サイズであること等から生物の形態形成に類似するパターン形成であることが推測される。動物の形態発生時に見られる体節パターン及び染色体に現れるパフのパターンに類似したバンドパターンであることからも生物形態とゲルパターンを結び付ける上で非常に興味深い現象である。さらに別の多糖類において同様の実験を行ったところ植物形態の一部に類似したパターンを再現することに成功した。(投稿準備中)これらのゲルが形成するユニークな形態形成は相分離に強く依存していると考えられる。 2.ゲル化と相分離の競合に関する研究 ゲル化と伴に進行する相分離現象の詳細を明らかにすることを目的とした。寒天の主成分であるアガロースは代表的な物理ゲルとして知られている。寒天水溶液は温度の低下に伴いゲル化及び白濁することから下限臨界溶液温度持つ。そこで先ずアガロース水溶液においてゲル化と曇点の測定を行い相図を決定した。次に光散乱実験によってゲル内での相分離状態を明らかにすることを試みた。結果、今回の測定方法から得られるゲル化点と曇点は異なる温度で現れることが明らかになった。また、ゲルは常に曇点より高い温度で生成し、アガロース濃度によってゲル化点と曇点の関係は変化した。(投稿準備中)
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