2004 Fiscal Year Annual Research Report
細菌におけるビフェニル/PCB 代謝遺伝子の新規な発現調節機構に関する研究
Project/Area Number |
04J06681
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤原 秀彦 九州大学, 農学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ビフェニル / PCB / 転写制御因子 / LysRファミリー / GntRファミリー / サリチル酸代謝 |
Research Abstract |
ビフェニル/PCB分解菌Pseudomonas pseudoalcaligenes KF707株のビフェニル代謝(bph)遺伝子群及びサリチル酸代謝(sal)遺伝子群の代謝制御について解析を行なった。両遺伝子群の転写・発現はBphR1及びBphR2によって制御されている。BphR1はGntRファミリーに属しており、bphR1、bphX領域及びbphDの転写を正に制御しており、BphR2はsal遺伝子群の上流に存在しており、LysRファミリーに属し、bphR1、bphABCの転写を正に制御していることが既に明らかとなっている。本研究では両因子によるbph-sal遺伝子群の代謝制御様式について詳細な解析を行なった。定量RT-PCR法を用いてsal遺伝子群の転写量を測定した結果、BphR1はsal遺伝子群を負に、BphR2はsal遺伝子群を正にそれぞれ制御していることが明らかとなった。さらに、ゲルシフト解析により、両因子が制御下にある遺伝子群のオペレーター領域に結合することによることが明らかになった。また、BphR1はサリチル酸の中間代謝物、2-hydroxymuconate semialdehyde(HMSA)存在下ではsal遺伝子群のオペレーター領域に結合できず、sal遺伝子群の負の制御が解除されることが示唆された。また、sal遺伝子群のオペレーター領域にはbphR2のオペレーター領域も存在している。BphR2はHMSA存在下、非存在下においてもsal遺伝子群のオペレーター領域に結合していた。この結果より、HMSA存在下ではBphR2は自身のオペレーター領域に結合しその転写を負に制御しており、HMSA存在下ではsal遺伝子群のオペレーター領域に結合しその転写を制御していることが示唆された。
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