Research Abstract |
治療効果の実証にあたり,施行条件の最適化,利用する増殖因子遺伝子の決定および調達を行った.また,カテーテル化のために,ファイバ伝送について検討を行った. 施行条件の最適化では,ラット皮膚にルシフェラーゼ遺伝子を導入することにより検討を行った.レーザー誘起音響波(Laser-induced stress wave, LISW)のピーク圧力が15-67MPa,パルス幅が80,700ns,パルス数が1-5の範囲で実験を行ったところ,遺伝子発現レベルはパルス幅には依存しないが,ピーク圧力およびパルス数を増加させるに従い遺伝子発現レベルが増大することがわかった.40ないし67MPa,3パルス適用時では,非照射群に対し二桁以上の遺伝子発現レベルが得られた.しかし,67MPaでは発赤などの組織損傷が観察されたため,本実験範囲では30MPa,3パルスが適していると考えられた. 創傷治癒を促進させうる増殖因子として,HGF, FGE, VEGF等が挙げられるが,遺伝子発現による浮腫の発生が小さいこと,強力な血管新生作用をもつこと,また本研究での最終目標である閉塞性動脈硬化症にも適用可能であることなどの理由により,本研究ではHGFを選択した.大阪大より調達後,コンピテント細胞を形質転換させ,HGF遺伝子を増幅した. カテーテル化については,利用可能なファイバ径について検討を行った.先に示した30MPaのLISWを発生させるためには43mJ/pulseのレーザーエネルギーが必要である.石英ファイバの損傷閾値を考慮に入れると,コア径430_mの石英ファイバが利用可能であると考えられた.
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