2004 Fiscal Year Annual Research Report
超音波リアクターを利用した低コスト・低環境負荷実現高次制御ナノ複合材料の開発研究
Project/Area Number |
04J07797
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 大和 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手
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Keywords | 超音波 / 金属ナノ粒子 / 低コスト / 低環境負荷 / 担持コーティング / ナノファブリケーション / 酸化物 / アルコール |
Research Abstract |
本研究では低環境負荷・低コストでナノ材料が作製可能な超音波ナノファブリケーション技術に注目し、理論的観点及び実験的証拠から反応場の検討を行い、金属ナノ材料作製のためのプロセス最適化を検討した。 本年度前半では単分散銀ナノ粒子の作製プロセス確立のために、出発原料に酸化銀とアルコールを用い、超音波の出力・周波数制御、界面活性剤、溶媒、熱伝導率、圧力、温度制御により粒子サイズ、形態の制御を検討し、透過型電子顕微鏡(TEM)・走査型電子顕微鏡(SEM)で観察を行い、形状の反応場依存性の評価を行った。粒子形状及びサイズは、出発原料比率・超音波反応場条件によって制御可能であり、数nmサイズから数百nmサイズまで容易に制御可能であることが判明した。また従来法とは異なり、低い過飽和度で大量に低コスト・低環境負荷で作製可能であることが判った。本年度後半では白金ナノ粒子のセラミックス粒子への担持コーティングの検討を行った。従来法での白金担持手法は、金属塩を用いるため、触媒毒や酸性雨の源となる残留イオンが廃液に存在する。本手法では酸化物とアルコールを用いるため、従来法とは異なり残留イオンが存在しなく、低環境負荷に貢献し、従来、貴金属ナノ粒子担持材料に存在していた環境材料のジレンマの解決が可能なことが判った。また、白金ナノ粒子は非常に簡単に数nmサイズの制御が可能であることが判明した。また、卑金属材料へ応用のために卑金属酸化物材料のエンタルピー計算を行った。計算の結果より、酸化第一銅出発による銅ナノ粒子の作製が卑金属材料系において実現可能性があることがわかった。これらの結果は、国際学会4件、国内学会3件で発表を行った。また、この超音波ナノファブリケーション技術に関して、アメリカ電気学会(IEEE)からレビュー原稿の依頼があり、執筆を行った。
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