2004 Fiscal Year Annual Research Report
3価のアルミニウムイオンを伝導種とする新規な実用型固体電解質の開発とその応用
Project/Area Number |
04J08117
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長谷川 泰則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アルミニウムイオン伝導体 / 酸化ホウ素 |
Research Abstract |
本研究では、申請者が開発した、これまで報告されているAl^<3+>イオン伝導体の中で最も実用レベルに近い導電率を有するナシコン型リン酸塩(Al_<0.2>Zr_<0.8>)_<20/19>Nb(PO_4)を改良することで、更に実用に適したAl^<3+>イオン伝導体の開発を目指した。 1.Al^<3+>イオンを伝導種とする新規な固体電解質の探索 (1)Al^<3+>イオン伝導体(Al_<0.2>Zr_<0.8>)_<20/19>Nb(PO_4)_3への焼結助剤の添加 (Al_<0.2>Zr_<0.8>)_<20/19>Nb(PO_4)_3に焼結助剤として酸化ホウ素を添加することにより、緻密性が向上し、その結果、機械的強度及びAl^<3+>イオン伝導性は添加前と比較し、いずれも約2倍向上することがわかった。このことから、酸化ホウ素を添加することで、より実用に適した、高い導電率を有する緻密で固い新規なAl^<3+>イオン伝導体が得られることが明らかとなった。 (2)Al^<3+>イオン伝導体(Al_<0.2>Zr_<0.8>)_<20/19>Nb(PO_4)_3に及ぼす格子サイズの影響 (Al_<0.2>Zr_<0.8>)_<20/19>Nb(PO_4)_3サイトの一部を、よりイオン半径の小さなTi^<4+>イオンで部分置換することで格子サイズを減少させたり、Al^<3+>サイトの一部を、よりイオン半径の大きなLa^<3+>イオンで部分置換することで格子サイズを拡大させたところ、[Al_<0.2>(Zr_<1-x>Ti_x)_<0.8>]_<20/19>Nb(PO_4)_3(x=0.2)において最も高い導電率が得られることがわかった。このことから、前述のようにイオン半径の異なるイオンを部分置換することによる意図的な格子サイズ制御は、本研究のナシコン型リン酸塩中でのAl^<3+>イオン伝導性の最適化を行うための重要なファクターの一つとなり得ることが明らかとなった。
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