2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J08321
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森下 昌紀 大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 過飽和度の定量化 / 窒素溶解の促進 / 液中窒素濃度の測定 / 転位減少メカニズム / 超高純度 / 不純物の徹底除去 |
Research Abstract |
GaN系半導体は次世代の照明機器や電子デバイスへの応用が期待されているが、デバイス中に発生する転位と呼ばれる結晶欠陥がデバイス特性を大幅に低下させている。転位の発生原因は異種基板上へのデバイス作製による格子不整合であり、デバイス中の転位を低減するには低転位GaN単結晶基板上でのデバイス作製が非常に重要となる。 私は低転位大型GaN単結晶育成にはNaフラックス法が非常に有用であることを示してきた。しかし産業応用化への問題として、成長速度が遅い、窒素欠陥によって結晶が着色する、転位減少メカニズムが未解明である、再現性が悪いなどがあった。 成長速度と結晶の着色の問題については昨年度にLiやCaを添加することで問題を解決した。LiやCaは窒素との結合エネルギーが高いことから、添加することによって液中の窒素溶解を促進させる効果があることがわかり、窒素濃度や過飽和度の定量化にも成功した。本年度に入ってこれらの成果を論文掲載することができた。 転位減少メカニズムについては、結晶の表面状態の経時変化を詳細に調べ、結晶中の転位挙動を透過電子顕微鏡で分析することによって調査した。成長初期には成長面が変化することによって転位が曲がり、成長中期から後期には曲がった転位がひとつにまとまっていることで転位が激減していることが明らかになった。 再現性の悪化については、原料中の微量不純物や育成環境における原料のわずかな汚染が原因であると考え、原料の超高純度化と不純物の徹底除去を行った。その結果、同条件の実験において非常に再現良い結果が得られるようになった。
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