2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J08613
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
安部 恵祐 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 精子形成 / 減数分裂 |
Research Abstract |
イモリ精巣における減数分裂開始機構の解明を本研究の目的としている。イモリ精原細胞は7回の体細胞分裂後に減数分裂を開始する。以前の研究よりイモリ精巣器官培養において基本培地では精原細胞から精母細胞へは分化しないが、ブタFSHを加えることにより精母細胞へと分化することがわかっている。そこで本研究ではin vitroとin vivoでFSHを加えたときに発現が上昇する遺伝子を減数分裂開始遺伝子候補としてマイクロアレイを用いて解析を行った。その結果、約60の遺伝子が候補として挙げられた。その一つにneuregulin(NRG)という分泌因子があった。 そこで現在、NRGに対する受容体として知られているErbB1〜4について解析を行っている。イモリ精巣・脳にてRT-PCRでmRNAの発現を調べたところ、ErbB1〜4すべてにおいて発現していることが確認された。また、マウスErbBの抗体を用いたウェスタンブロットによりイモリ精巣でのタンパクの発現をみたところ、ErbB1/2/4の発現が確認されたがErbB3の発現は見られなかった。同様の抗体を用いて免疫染色を行ったところ、ErbB2/4で発現が見られた。特に、ErbB4の発現が強く、精原細胞〜精細胞までのステージで、支持細胞であるセルトリ細胞と生殖細胞両者に発現していた。また、マウスNRG抗体によって同様に免疫染色すると、Neureglin 1αがセルトリ細胞膜上で発現していた。Ngureglin 1αの受容体は主にErbB3/4であることが知られている。このことから現在ErbB4のクローニングを行っている。他に、ErbBの予想されるシグナル伝達経路を阻害するinhibitorを数種用いて、イモリ精巣器官培養にて増殖や分化に影響があるかどうかを調べている。
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