2004 Fiscal Year Annual Research Report
胆汁酸によるリポ蛋白質合成・分泌調節機構の分子細胞生物学的解析
Project/Area Number |
04J10319
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橘 静子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | コレステロール / リポ蛋白質 / 胆汁酸 / apoB / MTP / HNF-4α / ABCトランスポーター |
Research Abstract |
胆汁酸は、胆汁酸およびコレステロール代謝を制御するシグナル分子である。本研究は、肝臓からのコレステロール排出を調節するapolipoprotein B(apoB)含有リポ蛋白質に着目し、apoB含有リポ蛋白質合成・分泌調節機構における胆汁酸の役割について、核内受容体、細胞シグナル伝達機構による制御について分子細胞生物学的手法を用いて解析することを目的としている。さらに、もうひとつの肝臓からのコレステロール排出経路であるATP binding cassette(ABC)トランスポーターを介したコレステロール排出における胆汁酸の役割についても解析する。 1.胆汁酸による核内受容体hepatocyte nuclear factor-4α(HNF-4α)を介したapoBおよびmicrosomal triglyceride transfer protein(MTP)遺伝子発現制御機構およびコレステロール分泌制御 胆汁酸がapoB含有リポ蛋白質の分泌を抑制することを明らかにした。その制御機構について、HNF-4α,がMTPのプロモーター活性を亢進すること、胆汁酸がHNF-4α mRNA発現の低下を介して、apoBおよびMTP遺伝子発現を低下させるという制御機構を第27回日本分子生物学会年会で報告した。 2.胆汁酸によるABCトランスポーターを介したコレステロール排出機構の制御 肝臓からのコレステロール排出にはapoB含有リポたんぱく質を介した経路に加えてABCトランスポーターであるABCA1を介した経路、ABCG5/G8を介した経路が存在することが近年明らかにされつつある。このうちABCG5/G8を介したコレステロール排出が胆汁酸により制御される可能性が示唆された。
|