2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J10406
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松浦 史子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2) (80570952)
|
Keywords | 六朝文学 / 『山海経』 / 郭璞『山海経図讃』 / 江淹「遂古篇」 / 図像データベース / 中国四川・河南省 / 漢画像石・闕 / 瑞祥 |
Research Abstract |
基本研究とその成果 六朝文学に於ける『山海経』の受容の形態を、(1)東晋の郭璞、(2)梁の江淹の二人の六朝詩人を中心に検討した。その研究・調査に当たっては、図像学と文献学の双方からの検討を試みた。 (1)の郭璞と『山海経』の関わりについては、主に『山海経図讃』を中心に、その瑞祥観念を基軸として文献・図像の双方から検討し、その成果を早稲田大学の21世紀COE研究として報告書に纏めた。 (2)の江淹については、『山海経』の補欠と目される「遂古篇」について文献を主軸に検討し、その成果は日中学会で発表し、投稿論文に纏めた(投稿査読中)。 『山海経』図像調査とその成果 『山海経』図像の調査として、04.9.6-16の間、デジタルカメラを使用して、中国の四川省に点在する漢代の闕、及び画像石の調査を行った。調査は主に西王母の仙境とその眷属-特に九尾狐の図像に絞り、約350カットの図像資料を得た。その成果はデータベース化し瑞祥観念との関わりを中心に検討した(1)の郭璞『山海経図讃』研究に用いた。05.3.17-27の間、同様の目的のもと、中国の河南省出土の漢画像石・画像磚の調査を予定している。また、(2)の梁の江淹に於ける『山海経』の受容研究の一貫として、『山海経圖』を製作したと伝えられる梁の張僧〓の傑作・大阪市立美術館所蔵の「五星二十八宿圖」を調査した。また、二度に亘る四川省での漢闕画像(石)資料の収集成果については、一部を上記の早稲田大学21世紀COE研究報告会に於て発表した。
|