2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J10448
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
児島 康宏 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | グルジア語 / モダリティ / 複文 |
Research Abstract |
現代グルジア語の統語法・語用論について、これまでは主に、条件文と関係節を中心として分析を進めてきた。条件文については、条件節の接続詞によって区別される2つのタイプ、さらに条件節の述語動詞が直説法であるか接続法であるかというそれぞれの下位区分を含めて、4つの種類の条件文の機能の違いという観点から考察を深め、小規模なセミナーなどで発表する機会を持った。また、とくに関係節についての現時点での研究の成果をまとめ、2004年11月21日に富山大学で開催された日本言語学会第129回大会において、「現代グルジア語の二種類の関係節」と題して研究発表を行った。これは、関係節の形成の方法によって、制限的関係節、あるいは非制限的関係節として機能するかどうかに関して違いが見られることを指摘したものである。これらの研究の内容を、論文として発表するために、現在、準備を進めているところである。17年度中に発表されるよう、海外の学術誌などへの投稿を予定している。平成16年9月にはグルジア、トビリシ市に赴き、現地においてグルジア語を母語とする話者を対象に調査を行ったほか、書籍や文献資料を収集したり、現地や欧米の研究者たちと意見を交換する機会を得た。今後は条件文や関係節以外のタイプの複文についても考察の対象を広げ、さまざまなタイプの複文あるいは名詞化を比較して、グルジア語の複文の統語論全体を射程とした考察を深めていきたいと考えている。
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