2004 Fiscal Year Annual Research Report
ASTRO-E2衛星を用いた星間空間におけるエネルギー解放機構の研究
Project/Area Number |
04J10679
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 弘充 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Astro-E2衛星 / HXD検出器 / CPU部 / X線観測 / 星間空間 / エネルギー解放機構 / 銀河リッジ放射 / 低質量X線連星系 |
Research Abstract |
本研究は、1.今年打ち上げられるAstro-E2衛星の地上実験における性能実証、2.Astro-E2衛星による近傍銀河の観測計画の立案、3.観測した銀河からの銀河リッジ放射(GRXE)の検出とその分析、の3項目に大別される。本年度は1と2に加え、3のうちAstro-E2衛星が打ち上がる前にできうる研究を行った。 1.私はAstro-E2衛星に搭載されるHXD検出器のCPU部を責任担当している。今年度はHXD検出器単体および衛星に組み上げられてからの地上実験における取得データを解析し、CPU部で不具合がないことはもちろん、HXD検出器全体でも問題がないことを確認した。さらに、打ち上がったあとの天体からの観測データを解析するためのソフトウェア開発も行ってきた。 2.私もその一員であるAstro-E2チームは、Astro-E2衛星の打ち上げ直後に、数個の近傍銀河を観測することを決めた。私はこれに加えて、我々にもっとも近い通常銀河であるアンドロメダ銀河(M31)の観測をAstro-E2衛星の公募観測に提案した。この提案は、全世界の研究者による多数の応募の中から採択され、早ければ来年度中に観測されることが決定した。 3.現在打ち上がっている欧米のXMM-Newton衛星とChandra衛星によって得られたM31におけるGRXEの観測結果を、論文にまとめ(裏面)、さらにアメリカで開かれた国際会議で発表してきた。また、Astro-E2衛星で観測した際に、GRXEとともにバックグラウンドとして検出される低質量X線連星系のエネルギースペクトルを詳細に解析した。私はこの結果を、今年度の日本天文学会の春季年会で発表し、来年度に論文として投稿する予定である。
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