2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J10823
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永井 保成 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 代数幾何学 / 高次元代数多様体 |
Research Abstract |
高次元の既約シンプレクティック多様体,とくに,既約シンプレクティック多様体上に起こりうる双有理収縮や解析ファイバー空間の詳しい構造や,それらが実際に存在するための良い十分条件を明らかにすることを目標として研究を行っている.昨年度定義したシンプレクティック多様体上のラグランジュファイバー空間の双対ファイバー空間について,今年度も引き続き研究を行った.ラグランジュファイバー空間やその双対ファイバー空間はアーベル多様体をファイバーに持つファイバー空間であることから,アーベル多様体の平行移動と貼りあわせによる「ねじり」(twist)によってその変形が得られることが知られているが,このねじりを制御しているのがテート・シャファレビッチ群やブラウアー群である.また,ラグランジュファイバー空間とその双対空間の間の導来圏の同値などの対称性について考察するには,双対空間のコンパクト化を考えることが不可欠である.今年度の研究では,双対空間のコンパクト化やラグランジュファイバー空間の変形、テート・シャファレビッチ群,ブラウアー群などについて調べ,いくつかの例を計算するなどの結果を得た.これら研究に関して,北海道大学でのシンポジウム"Symplectic varieties and related topics"や,東京大学での"Tokyo-Seoul conference : Arithmetic and Algebraic Geometry"において発表した.
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