2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J10828
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村田 実貴生 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 離散パンルヴェ方程式 / 差分超幾何級数 / 可積分系 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、離散パンルヴェ方程式と呼ばれる可積分な差分方程式、およびその特殊解としての差分超幾何級数の研究を両者の関係性に注目しながら行うことである。 今年度は、各離散パンルヴェ方程式の差分超幾何級数解の特定とその差分超幾何級数の諸性質の解明を計画した。各離散パンルヴェ方程式の差分超幾何級数解が国内外の研究により明らかになるにつれて、各差分超幾何級数の性質については先行の研究が存在することが分かり、それらの状況を踏まえつつ研究を実施することになった。 パンルヴェ微分方程式はある1階連立線型常微分方程式のホロノミック変形で特徴付けられるが、離散パンルヴェ方程式についても、1階連立線型常差分方程式のホロノミック変形で特徴付けられるか、という問題がある。いくつかの離散パンルヴェ方程式についてはこのようなホロノミック変形による特徴付けがなされており、離散パンルヴェ方程式の特殊解としての差分超幾何級数を代入すると、これらの線型差分方程式は求積することができる。 離散パンルヴェ方程式の理解のためには、このような1階連立線型常差分方程式のホロノミック変形による特徴付けが重要であると考えた。 パンルヴェ微分方程式については、ソリトン方程式に対してスペクトラルパラメータに適当な変形条件を課すことにより線型方程式系などを含めて導出できることが知られているので、離散パンルヴェ方程式についてもその手法に類似した導出を試みた。まず、ソリトン方程式系に対して、線型方程式系などを含めた離散化を行った。そして、スペクトラルパラメータに適当な変形条件を課すことにより、非線形の差分方程式が導出されることが分かった。これらの結果は現在論文を準備中である。 来年度はソリトン方程式系と上記の手法で導出される差分方程式との対応関係を明らかにしたい。特に楕円差分パンルヴェ方程式に対してホロノミック変形による特徴付けを行いたい。
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