2005 Fiscal Year Annual Research Report
多節スライダ・リンク機構を用いた内視鏡下外科手術用多自由度マニピュレータの開発
Project/Area Number |
04J11490
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 紘正 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 機械力学・制御 / 知能機械 / 知能ロボティクス / 医療・福祉 / 外科 |
Research Abstract |
前年度より開発を進めてきた多節スライダ・リンク機構の大幅な細径化を実現した。屈曲機構における構成要素の簡略化と新たなワイヤガイド機構の採用により、最小径φ3.5mmの2自由度屈曲機構を開発した。アプリケーションとしては、近年の胎児外科分野において有効な手術方法が求められている双胎間輸血症候群(TTTS)をターゲットとし、エンドエフェクタに胎盤上の血管凝固用Nd:YAGレーザファイバを搭載した。ファントムモデルを使用した実験では、マニピュレータに取り付けたハンドヘルド型インタフェースにより、最大66°まで屈曲させながらのレーザ凝固機能を確認した。また、TTTS以外の様々な術式においても適用可能にするため、回転自由度を伴う鉗子・剪刀機能の搭載を検討し、設計・製作を行なった。これにより母体の子宮内のような狭く限定された術野においても、剥離や切除、結紮や縫合といった柔軟な手技が可能となる。 さらに細径マニピュレータの開発と並行して、多自由度マニピュレータの多機能化に取り組んだ。具体的には、従来の把持鉗子にバイポーラ型電気メス機能を追加するため、鉗子ブレード表面に電極を搭載した。In vivo実験においては、ブタ腹腔内の腸間膜へとアプローチさせながら組織の焼灼評価を行ない、1mm程度の血管を完全に閉塞できることを確認した。 成果発表としては、内視鏡下外科手術用マニピュレータについて国際シンポジウムで1件、国内学会で1件発表を行なった。また、新たに開発したφ3.5mmの胎児外科手術用レーザ焼灼マニピュレータを用いたファントム実験と、φ10mmの電気メス鉗子マニピュレータを使用した動物実験をまとめ、それぞれ国内にて1件ずつ発表を行なった。現在は来年度の国際学会での発表を2件控えている。
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