2005 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞機能抑制性分子の遺伝子導入による自己免疫疾患の治療
Project/Area Number |
04J11753
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩井 秀之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 補助刺激分子 / 抑制分子 / 遺伝子導入 / 自己免疫疾患 / 関節リウマチ |
Research Abstract |
[目的]抗体投与や遺伝子組換え蛋白投与による補助刺激分子の機能調節による自己免疫疾患治療の可能性が示唆されているが,臓器特異的自己免疫疾患では,抗原特異的T細胞に直接補助刺激分子修飾をする方が,副作用も少なく効率よい結果が期待される.今日,抑制性T細胞や抑制シグナル分子の免疫寛容誘導における重要性が明らかになってきている.昨年,抑制シグナル分子であるPD-1について解析を行った.今回は抑制シグナル分子で別の発現,機能を持つCTLA-4を抗原特異的CD4T細胞に遺伝子導入し,発現させることにより自己免疫疾患治療の可能性をコラーゲン誘導関節炎モデルにおいて検討した. [方法]YFP遺伝子が組み込まれたレトロウイルスベクターにCTLA-4遺伝子をサブクローニングし,ウイルス液を作製した.レトロネクチンプレートを用いて,II型コラーゲン(CII)免疫DBA/1マウスのリンパ節から誘導したCII特異的T細胞ハイブリドーマ(ANA2)に,CTLA-4遺伝子を導入し発現させた.CTLA-4発現ANA2細胞をCII+CFA初回免疫時あるいは二次免疫時に移入し,関節炎発症を検討した. [結果]二次免疫時移入群において親株のANA2細胞移入群では6日前後で関節炎を発症したのに対し,CTLA-4発現細胞移入群では関節炎の抑制が認められた.しかし,両群とも細胞移入後15日前後より下肢麻痺を認め,剖検により脊髄,肝臓といった臓器にANA2細胞の浸潤を認めた.CTLA-4の移入により元来のT細胞リンパ腫の腫瘍原性がよみがえったと考えられ,ホスト側の抗腫瘍免疫反応が抑制されたことが示唆される.関節炎発症抑制機構と移入細胞の動態について解析を進め検討している.
|
Research Products
(2 results)