2004 Fiscal Year Annual Research Report
家庭血圧を用いた大規模介入試験による、高血圧等のリスク因子と予後との関連性の検討
Project/Area Number |
04J54041
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
浅山 敬 東北大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 高血圧 / 無作為化比較試験 / PROBE方式 / 家庭血圧 / 大規模臨床試験 / カルシウム拮抗薬 / アンギオテンシン変換酵素阻害薬 / アンギオテンシンII受容体拮抗薬 |
Research Abstract |
HOMED-BP研究は、家庭血圧を評価基準に据えて、2つの降圧目標レベル(高値目標群、低値目標群)の比較、および、現在日本で頻用されている3系統の降圧薬(カルシウム拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素阻害薬、アンギオテンシンII受容体拮抗薬)の比較を目的とした大規模介入試験である。本研究は先行準備期間を経て、平成14年5月から本格的に開始されたが、平成16年2月までに2729名が登録され、1687名の無作為化割付が行われた。一方、平成16年12月末までに約3500名が初診登録を終了した。 無作為化割付後、平成16年2月時点で12ヶ月以上経過していた患者は971名であり、各投薬群、降圧目標群ともに偏りなく割り付けられていた。降圧目標群別の血圧値をみると、両群の試験開始時の家庭血圧は高値群:151/90mmHg、低値群:150/89mmHgであり、両者はそれぞれ12ヶ月後に133/79mmHg、132/80mmHgへと低下したが有意な血圧差を認めなかった。しかし、12ヶ月経過時における降圧目標達成率は、高値群において収縮期達成率55%、拡張期達成率68%と半数以上であったのに対し、低値群では収縮期達成率23%、拡張期達成率48%であり、特に収縮期達成率の低さが顕著に認められた。試験開始6ヵ月後の段階で降圧目標値に達していなかった患者は、12ヶ月後においても過半数(55%)がそのまま治療の強化がなされていなかった。本試験では、治療強化すなわちステップ上昇の指示が強制的なものではないため、低値目標までの厳格な血圧管理に少なからぬ抵抗感があると考えられた。
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