2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04J54221
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川原 知洋 広島大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 非接触センシング / 機械インピーダンス / 空気噴流 / インピーダンス分布 |
Research Abstract |
本研究では,環境に対して空気噴流を印加し,そのダイナミックな応答を広範囲にわたって取得することにより,広範囲の機械インピーダンス特性を測定する非接触インピーダンスイメージャについて取り扱う.以下の2点について研究を行った. 1.非接触インピーダンスセンサの力発生系として,高速電磁弁を用いて空気を切り替えることで周波数上の印加力を発生可能なシステムを構築した.このシステムによって高速電磁弁を最大666[Hz]で駆動させて,対象物を振動させる実験を行った.この実験より,現在の印加周波数では十分ではなく,より高い周波数を対象物に与えるために電磁弁やドライバの改良が必要なことがわかった.一方,アクティブに力を印加した場合にどのようにインピーダンスパラメータの感度が変化するかということをシミュレーションによって確認した.シミュレーションより,粘弾性体の測定においては慣性パラメータの感度が極端に悪くなる傾向があったが,周波数状に力を印加することで感度を増加させることができることがわかった.今後は,シミュレーションでの成果を実験に反映させて,高感度でインピーダンスを推定する方法について考察する予定である. 2.本センサを胃の診断に応用する最初のステップとして,実際に人間の胃壁に空気噴流や水流を当ててそのときの挙動を観察する実験を行った.実験は従来用いられている内視鏡を用いて,普段の検査で用いられている器具を流用して胃壁に空気や水を短時間噴射した.実験の結果,胃壁を傷つけないように適度に変形する力を印加するためには,胃に水を満たした状態で水流を胃壁に当てればよいことがわかった.また,表面付近の腫瘍に力を印加すると他の部位と変形のパターンが異なることを確認でき,医師からも今後の展開を期待するコメントを得られた.今後は光ファイバー変位計などを用いて変位を定量的に測定するセンサの開発を行い,動物実験等によって硬さ分布の測定を行うことを予定している.
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