1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05041025
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
石森 秀三 国立民族学博物館, 第4研究部, 助教授 (60099950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 光穂 東日本学園大学, 教養部, 助教授 (40211718)
太田 好信 北海道東海大学, 国際文化学部, 助教授 (60203808)
増田 昇 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (00181652)
江口 信清 立命館大学, 文学部, 助教授 (90185108)
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Keywords | エコ・ツーリズム / 遺跡観光 / 持続可能な観光 / 観光 / 観光人類学 / 観光開発 / 生態観光 / 適正観光 |
Research Abstract |
平成5年度は、カリブ海地域のうち、大陸部における複数の調査地を選定して、コミュニティ・レベルにおけるエコ・ツーリズムの社会的・文化的要因に関する文化人類学的調査を行なった。そのさいに、コスタリカ、ベリ-ズを中心とした集中的調査に加えて、メキシコ、グァテマラ、ホンジュラス、パナマにおいて広域的比較調査を実施した。集中的調査と広域的調査を組み合わせることによって、エコ・ツーリズムに関する貴重な基礎的データの収集が効果的に実施でき、比較研究のための新しい知見を得ることが可能になった。その結果、中央アメリカ地域の諸国においては、地域の生態系のあり方に応じたエコ・ツーリズムの多様な展開の現状が明らかになった。さらに、エコ・ツーリズムは自然環境だけでなく、社会的・文化的要因の影響によって、さまざまな形態を取り得ることが確認できた。 エコ・ツーリズムの展開においては、とくに政府機関の果たす役割が重要である。今回の調査では、各国の政府観光局や自然保護局や文化財保護局などの政府機関において、エコ・ツーリズムに関する国家政策の調査を行ない、国レベルにおける観光開発と自然保全や文化財保護の関わりについての比較調査を実施できた。それとともに、エコ・ツーリズムに伴う地域開発のあり方についても貴重なデータを収集できた。それによって、持続可能な観光(サステイナブル・ツーリズム)についての基本的フレーム・ワークの構築に向けて、基礎的データの集積が可能になった。 なお、相手国政府機関等との事前交渉の過程で、本研究に対する協力度が国によって大きく異なることが判明したため、現地調査は協力度の高い国における集中的調査に重点をおいた。とくに、太田は当初、3国において調査を行なう予定であったが、その内のベリ-ズにおける集中的調査の比重を高めた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 石森秀三: "21世紀の基幹産業としての観光産業" 季刊「都市政策」. 73. 18-29 (1993)
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[Publications] 池田光穂: "商品としての“自然"と“文化"-エコ・ツーリズムと中央アメリカ-" 中央公論. 1295. 296-302 (1993)
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[Publications] 江口信清: "余暇化と地域課題" 『現代日本の展開方向と地域課題』(法律文化社). 130-155 (1993)
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[Publications] 石森秀三(共編著): "「新しい旅」のはじまり-観光ルネッサンスの時代-" PHP研究所, 268 (1993)
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[Publications] 江口信清(共編著): "現代日本の展開方向と地域課題" 法律文化社, 253 (1993)