1993 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な発展のためのグローバル・パートナーシップと地域システム-東南アジア都市の発展に与えた外国投資の影響-
Project/Area Number |
05041037
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
加茂 利男 大阪市立大学, 法学部, 教授 (80047357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 祥浩 松阪大学女子短期, 大学部, 助教授 (70211810)
松岡 俊二 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00211566)
宗田 好史 京都府立大学, 生活科学部, 助教授 (70254323)
遠州 敦子 高田短期大学, 助教授 (90175232)
樫原 正澄 関西大学, 経済学部, 助教授 (20128763)
遠州 尋美 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (30168819)
塩崎 賢明 神戸大学, 工学部, 助教授 (20127369)
木下 滋 阪南大学, 商学部, 教授 (10161530)
西沢 信善 神戸大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (30164552)
重森 曉 大阪経済大学, 経済学部, 教授 (70036581)
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Keywords | 持続可能な発展 / 東南アジア / 輸出指向工業化 / 都市農村格差 / コミュニティベースド・デベロップメント / 地域間分業 / 開発と保全 / グローバル・パートナーシップ |
Research Abstract |
6次、延べ90日間の調査によって、以下の諸点が明かとされた。 1.経済発展と外資の導入に関し、シンガポール、マレーシアでは国家の積極的な地域開発政策と国家資本の活動によって、外資導入と輸出工業化が計画的に展開され、相当の成果をあげえたが、タイ国の場合は、税制による投資奨励以外、効果的な産業政策は展開されず、円高など外部的要因の寄与が大きい。また、ミャンマーの国際社会への復帰は極めて困難だが、ベトナムについては潜在的ポテンシャルは著しく高く開放政策も徐々に成果が見え始めている。 2.輸出工業化と国内の地域格差の関連は国別の違いが極めて大きい。すなわち、タイではバンコクへの集中は一層激しさを増し、80〜90年代を通じ、都市農村格差は劇的に拡大している。他方マレーシアでは、クアラルンプールへの集中は決して無視できないものの、いわゆる首座都市現象と呼びうるものではなく、半島部マレーシアに限って言えば比較的地域格差は小さい。この差異には、国民経済に占める国家財政の規模、国家資本の役割が関係している。 3.バンコクやジャカルタへの集中と都市問題は極めて深刻であり、今後の経済発展にとって重大な桎梏になりうる。 4.地方の振興は極めて重要だが、そのためには、政治システムの民主化、地方財政の確立と地方政府レベルでのプランナーの育成が決定的に重要である。インドネシアでは、伝統的コミュニティが地方の基盤整備に貢献している。 5.環境管理のための手段・制度は、欧米の制度を模して急速に整備されつつあるが、人材と技術の面で現実に効果を発揮するには解決すべき課題は多い。 6.東南アジア地域全体の持続可能な発展には、アジア諸国間のパートナーシツプの成熟が鍵を握っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 松岡俊二: "一次産品貿易と環境問題" 社会文化研究. 19. 133-196 (1993)
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[Publications] MUNETA,Yoshifumi: "Toward Autonomy:Grass Roots International Exchange" The Wheel extended. No.85. 12-19 (1993)
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[Publications] 重森 曉: "東南アジアにおける内発的発展と地方自治" 地域文化環境研究会『Circular』. Vol.1,No.7. 9-11 (1993)
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[Publications] 加茂利男: "アジア都市研究の視角 1993年度文部省科学研究費補助金(国際学術研究)課題番地05041037「持続可能な発展のためのグローバル・パートナーシップと地域システム」中間報告" アジア都市政策研究会, 120 (1994)