1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05041048
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
河合 隼雄 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (00025107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉岡 津岐子 京都文教短期大学, 児童教育学科, 講師
黒須 里美 国際日本文化研究センター, 研究部, 助手 (20225296)
朱 捷 中京女子大学, 教養部, 助教授 (40235700)
小野 芳彦 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (20126022)
武井 秀夫 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (50226982)
小松 和彦 大阪大学, 文学部, 助教授 (90111781)
江口 一久 国立民族学博物館, 第三研究部, 助教授 (90045261)
田中 優子 法政大学, 第一教養部, 教授 (40139390)
堀内 勝 中部大学, 国際関係学部, 教授 (50165586)
山口 昌男 東京外国語大学, AA研, 教授 (60014461)
大林 太良 東京女子大学, 現代文化学部, 教授 (20012263)
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Keywords | 韓国 / カメルーン / アジア・アフリカ / 昔話 / 記憶再生 / 文化差 / 思考パターン |
Research Abstract |
本研究は、昔話を題材とする心理学の実験を世界各国で行い、国々の文化の差が思考パターンに及ぼす影響を数値的に検出しようという試みである。事前の調査により、昔話の一類型である異類婚姻譚(人間と動物[あるいはその姿をした人間]との結婚のお話)の受け入れかたに文化差が表れるのではないかとの予想が得られており、実験にはヨーロッパ型の一つ「バラ」と日本の「猿婿」の2つを用いた。実験は、高校生を対象に、それぞれの昔話1話につき男女50名ずつ、1ヵ所あたり200名の被験者に、話を聞かせ、聞き終わったところで覚えている限りを筆記させるものである。また、1〜3月後に再び覚えている限りを筆記させ、その記憶の残りかたを測定することで、話の受容と変容を数値的に探る分析を行うものである。 平成5年度は、日本との文化の差が少ないと考えられる韓国と大きいと考えられるアフリカの国カメルーンを調査地とする実験を行った。使用言語は、韓国は韓国語、カメルーンはフランス語である。分析が終了したすべてのデータを計算機へ入力中である。入力済みのデータについての統計的な分析の結果、いくつかの特徴を見出した。また、意味論的な分析を行ない、たとえば、・カメルーンにおいては、バラより猿婿のほうが生活に身近であるという理由であろうが受け入れられやすい、・韓国においては、猿婿に対する評価が好意的なものとそうでないものに2極分解している、などを含めて、いくつかの特徴を見出した。 さらに、事前の分析との照合を目的として、本研究の代表者・分担者と韓国の昔話伝承研究者との共同研究会を行った。異類婚姻譚の日韓比較を中心に、韓国の昔話の位置付けなどの議論が行われた。 現在、実験結果の詳しい数量分析を行っている。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 小野芳彦: "文科系の計算機利用II-データ入力のユーザーインタフェース" 日本研究. 8. 165-182 (1993)
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[Publications] 河合隼雄: "「おはなしおはなし」" 朝日新聞社, 228 (1994)
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[Publications] 安藤元雄・乾昌幸編: "「詩的ディスクール」" 白凰社, 357 (1993)
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[Publications] 杉岡津岐子: "「子ども学」出版予定" ナカニシヤ出版, (1994)