1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05041048
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
河合 隼雄 国際日本文化研究センター, 名誉教授 (00025107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 俊樹 国際日本文化研究センター, 研究部, 助手 (50260055)
杉岡 津岐子 吉備国際大学, 社会学部, 助教授 (20259401)
朱 捷 中京女子大学, 教養部, 助教授 (40235700)
小野 芳彦 国際日本文化研究センター, 研究部, 助教授 (20126022)
武井 秀夫 千葉大学, 文学部, 助教授 (50226982)
小松 和彦 大阪大学, 文学部, 助教授 (90111781)
江口 一久 国立民族学博物館, 第三研究部, 助教授 (90045261)
田中 優子 法政大学, 第一教養部, 教授 (40139390)
堀内 勝 中部大学, 国際関係学部, 教授 (50165586)
山口 昌男 静岡県立大学, 大学院・国際関係学研究科, 教授 (60014461)
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Keywords | アジア / 中国 / 昔話 / 記憶再生 / 文化差 / 思考パターン / 心理学実験 / 儒教文化圈 |
Research Abstract |
中国・台湾・インドネシアを調査地とするそれぞれ2回の実験をおこない、中国とインドネシアにおいては昔話伝承研究者との共同研究会を実施した。台湾の調査データの入力がまだ完了していないため、総合的な分析はまだ確定していない。 平成5年度の韓国・カメルーンの分析について、日本教育心理学会に発表をおこなった。韓国における昔話の討論会のとりまとめを行った。 平成5年度に採取した韓国での実験のデータを含めれば、東アジアの国ぐにの多方面の比較を行うことができるようになった。1.韓国と台湾は経済発展が似ている国であること、2.中国本土と台湾は広い意味での同一の言語・文化を共有しながらも政治的に隔別されてきた国であること、3・日本・台湾とインドネシアが島国であるという共通点を持つこと、などを利用して、比較・要因の分析がが容易になるという大きな利点がある。 昔話の再生の割合について平均と分散の差を検定した。当然1回目と2回目には有意な差があるが、話の種類にも1回目・2回目ともに有意な差が認められた。カメルーンにおいては、ヨーロッパ型の昔話(バラ)より日本の昔話(猿婿)のほうが身近であるという理由で心情的に受け入れられやすい(つまり、カメルーンの昔話であるという被験者が多数いる)という感想が得られているが、その傾向が数量的に捕捉されていることが分かった。 韓国においては、日本の昔話のなかで、主人公の行動に対する評価が好意的なものとそうでないものに2極分解している。ひとつは親の約束を自己犠牲をはらってまで果たそうとしたという儒教的「考」を重視して好意的であるもの、一方はだまして生還した点を嫌悪するものである。このような定性的要因分析をいくつか考察した。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] 河合隼雄: "昔話の記憶再生における文化差の研究(その1)-韓国-" 日本教育心理学会36回総会報告集. 254-254 (1994)
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[Publications] 河合隼雄: "昔話の記憶再生における文化差の研究(その2)-カメルーン-" 日本教育心理学会36回総会報告集. 255-255 (1994)
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[Publications] 朱 捷: "仮面の異類・素顔の異類" 月刊 シニカ. No.48. 68-73 (1994)
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[Publications] 小野芳彦: "昔話の記憶再生のモデル" 日本研究. (予定). (1995)
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[Publications] 田中優子: "A Comparative study of textile production and trading from the beginning of the 16th century to the end of the 19th century" 法政大学 教養部紀要 人文科学編. 93号. 25-64 (1995)
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[Publications] 小松和彦: "影のオカルティズム" 「is」. 67号. 40-42 (1995)
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[Publications] 杉岡津岐子: "子ども学" オカニシヤ出版, 241 (1994)
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[Publications] 長田俊樹: "日文研叢書 ムンダ人の農耕文化と食事文化:民族言語学的考察-インド文化・稲作文化・照葉樹林文化-" 国際日本文化研究センター, 188 (1995)
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[Publications] 小松和彦: "妖怪学新考" 小学館, 253 (1994)