東アジアにおける活断層と地震テクトニクスの比較研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05041054
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 米倉 伸之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30011563)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 蘇 宗正 中国科学院, 地質研究所, 教授 ; 王 存玉 中国科学院, 地質研究所, 助教授 ; 〓 起東 中国科学院, 地質研究所, 教授 ; 鈴木 康弘 愛知県立大学, 文学部, 講師 (70222065) ; 竹内 章 富山大学, 理学部, 助教授 (20126494)
• Keywords: 活断層 / 地震テクトニクス / 東アジア / 地震断層 / 大地震 / 火山活動 / 山西地溝帯 / 中国

Research Abstract

平成5年度は、中国では山西地溝帯北部の大同盆地南縁の地震活動・活断層火山活動について調査研究した。その結果,大同盆地南縁断層の第四紀後期における活動について新たな知見を得た。この地域における断層活動の様式は正断層で、平均変位速度が0.5m/千年前後のところが多く、第四紀後期における断層の活動度はB級と判断される。山麓の断層のほかに、盆地側に断層がはりだしている所では、盆地側の断層が山麓側にくらべて活動的である。断層活動の様式と活動度を詳しく評価するためには、調査地域における第四紀堆積物の年代測定の結果をまって、地形発達と火山活動の関係を明らかにする必要がある。
中国側の研究者を日本に招へいして、中部・四国・九州各地の活断層について現地討論を行なった。現地討論では、(1)活断層の活動度判定に関する地形学・地質学的証拠、(2)活断層の平均変位速度および地震断層・活断層のトレンチ調査にもとづく断層運動の再来周期、すなわち大地震の再来周期の推定方法、(3)日本列島における活断層の活動様式は、中部日本では横ずれ断層が卓越するが、九州中部から沖縄トラフにかけては正断層が卓越するので、この地域の正断層と中国北部における正断層との関係について議論された。
さらに平成6年度における中国および日本での調査地域について検討して、中国では大同盆地南縁断層をさらに詳しく、範囲を拡大して調べ、また大同盆地の火山活動と長白山などの火山活動を比較して、中国北部におけるテクトニクスとの関係を検討することとした。日本では東北日本における縦ずれ断層の活動と日本海東縁の大地震の活動の関係も検討することとした。

Research Products

• [Publications] TAKEUCHI,A.: "Recent crusfal movements and strains along the eastern margin of Japan Sea floor." Japan-U.S.S.R.Monograph. Ser:1 (印刷中). (1994)
• [Publications] Xu,X.,Ma,X.and Deng.Q: "Neotectonic activity along the Slhanxi rift system,China." Tectonophysics. 219. 305-325 (1993)
• [Publications] YONEKURA,N.et al.: "Geomorphic development of modern fringing reefs of Yoron Island,Ryukyu Arc,Japan" 第四紀研究. 33 (印刷中). (1994)
• [Publications] KAYANNE,H.et al.: "Late Holocene sea-level change on Rota and Guam,Mariana Islands,and its constrain on geophysical predictions" Quaternary Research. 40. 189-200 (1993)
• [Publications] 米倉伸之: "先史モンゴロイド拡散地域の環境変遷" 学術月報. 46. 353-358 (1993)